マイクロソフトの格安ノート 5月に発表観測 – 日本経済新聞



VentureBeat

 米マイクロソフトは数週間後にニューヨークで開催する教育関連のイベントで、低価格ノートパソコン(PC)「クラウドブック」を発表する可能性がある。タブレット「サーフェス」よりも頑丈だが、「サーフェスブック」ほど高級ではない位置づけの製品だ。

マイクロソフト製のパソコン「サーフェス」シリーズの例
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マイクロソフト製のパソコン「サーフェス」シリーズの例

■搭載OSは「Windows 10 Cloud」

 この新製品には、古き良き「ウィンドウズ10」ではなく「ウィンドウズ10クラウド(Windows 10 Cloud)」という基本ソフト(OS)が搭載されるもよう。「10クラウド」では設定を変更しない限り、ウィンドウズストアにあるアプリしか実行できないとされる。

 その狙いは端末の安全性を高めることにある。だが、クラウドブックのような「ウィンドウズ10クラウド」マシンでは、ゲームプラットフォーム「スチーム」などウィンドウズストアにないアプリは使えないという意味になる。

 このコンセプトには聞き覚えがあるかもしれない。タブレット用OS「ウィンドウズRT」を搭載した初代サーフェスを思い出すのではないだろうか。マイクロソフトは結局、このOSのせいで9億ドルの評価損を計上した。従来のウィンドウズのアプリとの互換性がなかったことが響いた。

 初代サーフェスの基本モデルの価格は約500ドルで、キーボード兼カバー付きのモデルは約600ドルだった。マイクロソフトは最終的に、初代サーフェスの各バージョンを150ドル値引きし、評価損を計上した。製品が価格に見合っていなかったので、売り上げが予想を下回ったといえる。

 あれから数年。サーフェスブランドは大きな進歩を遂げた。「サーフェスプロ4」は初代モデルから大幅に改良され、「サーフェスブック」は現行では最も素晴らしい消費者向けPCの一つに挙げられる。

 その間に、米グーグルと米アップルも攻勢に打って出た。グーグルは低価格ノートPC「クロームブック」でアンドロイド用アプリを使えるようにし、(ノートPCだけでなく)タブレットにもなったり、ディスプレーと本体を取り外せたりする優秀なクロームブックも発売された。アップルはMSの「サーフェスプロ」に対抗し、頑丈なキーボード兼カバーがオプションで付いた高級大型タブレット「iPadプロ」を投入。「iOS」では2つのアプリが同時に使えるようになった。さらに最近では、十分な性能を備えつつも価格を329ドルに抑えた「iPad」も発売した。マイクロソフトが「開発メーカーなのに低価格」戦略に回帰しようとしているのは、こうした競争の真っただ中だからだ。

 今や(携帯電話は別として)マイクロソフトのPCの性能には定評があるが、発売が見込まれるクラウドブックについては不明な点が多い。

●性能はどれほど良いのか。バッテリーの駆動時間はどのくらいか。発売から2年近くたつ「サーフェスプロ4」と同程度の性能なのか。クラウド頼みのクロームブックとの違いが分かるほど十分なストレージはあるのか。ディスプレーにイラつかないか。

●ウィンドウズストアにないアプリを利用できる手段はあるのか。マルウエアなどの脅威をあまり気にせずに済むウィンドウズマシンという点を気に入る人もいるだろうが、ウィンドウズストアにはないプログラムを使う必要がある場合、何らかの代替策はあるのか。

●価格はどれくらいか。クロームブックは500ドルで手に入り、ブルートゥース接続のキーボードが付いた新型iPadの価格は400ドル以下だ。クラウドブックの最低価格が500ドル以上で安物の部材ばかりが使われているとすれば、初代サーフェスが惨敗した市場で勝ち目はあるのか。

 幸い、ウィンドウズは全体的にかなり充実した状態にあるようだ。マイクロソフトのインサイダープログラムでは、毎週何らかの新機能がテストされている。現時点では、iOSとクロームOSの開発ペースは落ちつつある。ウィンドウズ10クラウドが10のリズムに乗り、さらに魅力的な端末の発売をきっかけに広く普及すれば、12~15年で生産を終えたRTよりも長続きするかもしれない。そうなれば、この戦略の正しさが証明されるだろう。

By Jordan Novet

(最新テクノロジーを扱う米国のオンラインメディア「ベンチャービート」から転載)




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