iPhoneを製造する中国の工場に潜入したアメリカの大学院生がその労働環境を赤裸々に告白 – GIGAZINE






AppleのiPhoneは大手EMSが中国に構える工場で生産されています。iPhone製造工場では、就労環境の悪さがたびたび問題になっており、そのたびにAppleは火消しに追われ、事態の改善を約束する、というのがお決まりの流れです。アメリカの大学院生が身分を隠して、中国にあるiPhoneの製造工場に潜入して期間工として働き、iPhone製造工場の実態を赤裸々に語っています。

Q&A with an iPhone factory worker at Pegatron ChangShuo in Shanghai – Business Insider
http://www.businessinsider.com/qa-with-an-iphone-factory-worker-at-pegatron-changshuo-in-shanghai-2017-4/

アメリカのニューヨーク大学大学院に通うDejian Zengさんは、2016年の夏にAppleからiPhoneの製造委託を受けるPegatronのChangShuo工場に潜入して期間工として働きました。Zengさんの目的はiPhoneの製造工場の労働環境を自分の目で確認して、そこに横たわる中国人労働者の抱える労働問題を確認すること。ChangShuo工場の労働環境の悪さが2014年、2016年にメディアで報じられたことからAppleは改善を約束したため、実際に問題が解消されているのかに焦点を当てて働くことにしたそうです。


ZengさんはBusiness Insiderの取材に応じて、iPhone製造工場での労働環境を赤裸々に告白しています。なお、Business Insiderの事前取材に対してPegatronはコメントを拒否しましたが、Appleは「ChangShuo工場で16回監査を行っており、99%の労働者の労働時間は週に60時間未満であり、Apple製品を組み立てている労働者の平均労働時間は週に43時間だ」と回答したそうです。

Business Insiderの Leswing氏(以下「BI」と表記):
Pegatronでの初日のことを教えてください。

Dejian Zengさん(以下、「Zeng」と表記):
たくさんの荷物を抱えた人たちの列に並びます。コンピューターを机に置いたスタッフ2人がIDを求めるので手渡すと、IDがコンピューターに記録されます。それから、手を出すように言われます。彼らは手を見て、指が欠損していないかどうかを確認。その後で、英語のアルファベットを暗唱するように求めます。


BI:
なぜ?

Zeng:
組み立てラインでは英語の文字を使うからです。例えば私の部署は「E26」と呼ばれていました。

BI:
中国人のほとんどはアルファベットを知っていますか?

Zeng:
知っている人もいれば知らない人もいます。もし本当に仕事をしたいと考えるならば、アルファベットを知らない人も教えて欲しいと頼みます。わずか26文字です。間違って覚えることもありますが、単なる手続きであり、やっとのことでアルファベットを覚えた人であってもPegatoronは受け入れます。その後、指紋を取って身体検査をします。身体検査には70元(約1100円)支払う必要があります。

BI:
お金を払う必要があるのですか?仮にお金がない場合は?

Zeng:
誰かからお金を借りることになります。血液検査の他に、刺青がないか調べられます。お金を払う前に、「もし妊娠していたり、10センチメートル以上の刺青が入っている場合、工場に入ることは許されない」と医師が告げました。また、顔認証登録する必要があります。工場内ではカードを通すだけでなく顔認証も行われるからです。契約書にサインすると、トレーニングが始まります。

BI:
安全対策はどうでしたか?

Zeng:
負傷して病院に行ったときには払い戻しを受けられると知らされます。企業側は多くのことを「労働災害」と考えています。それは良いことでした。安全教育の後、給料に関するトレーニングがありました。残業、社会保障、モバイルプラットフォーム、WeChatに関するものでした。彼らはあらゆる範囲をカバーしましたが、説明は非常に速いので、私は最大限の注意を払いましたが完全には理解できませんでした。あまりにも速すぎるスライドショーは20分で終了しました。

BI:
あなたの働き方について教えてください。

Zeng:
私はChangShuo工場のFATPと呼ばれる最終組み立てラインに割り当てられました。そこは、組み立ての最終工程を受け持つところです。組立工場には約100の「Station(部署)」があり、部署ごとに特定の作業を行います。私は最初にiPhone 6sの製造を担当し、2016年8月以降はiPhone 7の製造に関わりました。

iPhone 6s時代には、2つの部署を経験し、最初はスピーカーをハウジング(筐体)に取り付ける工程を担当しました。スピーカーを筐体に置き、ネジ付けする作業です。iPhoneの筐体はライン上を移動するので、これを手に取り1本のネジをつけるとまたラインに戻るという作業です。

BI:
担当していたのは1本のネジですか?

Zeng:
そうです。それが私の仕事です。誰にとっても単純過ぎる作業です。来る日も来る日も1日中1本のネジを締めていました。

BI:
気が狂いそうになりませんでしたか?

Zeng:
はじめはラインの速度に追いつかないので、最初の数日間は非常に集中していました。作業の流れに追いつくためにとても素早く行動することが求められます。とても疲れる作業ですが、この時点では心を正常に保たれています。なぜなら、物事を考える余裕がなく、とにかく素早く作業する方法を覚える必要があるのです。

しばらくすると、だんだん作業に慣れてきます。最後には目を閉じていてもネジを締められるくらいになります。けれども、そのレベルになるとそれ以降は何もすることがないと感じる時間が増えてきます。それは非常に憂鬱なことです。

工場内では音楽を聴くことが許されないので、とても退屈になります。時々、労働者同士がおしゃべりをしますが、ラインマネージャーは私語を見つけると「声を控えるように」と注意します。

BI:
どこで寝泊まりし、何時くらいに起きるのですか?

Zeng:
私は寮の8人部屋で寝泊まりしました。寮は工場の敷地にはなく、自動車で10分ほどの場所にあるため、毎日シャトルバスを利用します。


当初は夜勤を担当していて、午後6時か6時半に起きていました。組み立てラインの作業員は、工員ごとに違う時間に作業を開始します。私の同僚には午後7時30分から働く者、8時から働く者、午後9時半から働く者などがいました。私は午後7時30分に作業開始なので、7時にシャトルバスに乗り、7時15分に工場に着く、と言うようなスケジュールです。

働きはじめて2時間後に、10分間の休憩をとります。休憩中には多くの人が寝ています。長い時間ではないので、ある種、(睡魔との)戦いです。水を飲みたいときやトイレに行きたいときには、巨大な作業場から離れる必要があり、往復に10分ほどかかります。

BI:
ちょうど10分間の休憩が終わると、次は何をするのですか?

Zeng:
さらに2時間働いて、その後、食事のために50分の休憩があります。食堂には野菜、肉、パン、麺類などがあります。基本的には3種類の野菜、1種類の肉、ご飯で、ごく一般的な食事です。ときどきリンゴや梨などの果物が与えられます。食堂は工場で働くすべての人が同じ場所で食事を取るため巨大です。


食事を素早く終わらせたら、眠ることができます。睡眠は工場では貴重なことなのです。ラウンジには長いソファがたくさんありますが、快適とはほど遠いもので、「鉄」のように感じます。みなソファに座って寝ますが、易々とは眠れません。見回る人がいて、眠っている人を見かけるとIDを読み取って記録します。そのIDは組み立てラインで公開されるので、それを見たマネージャーが叱りつけます。あまりに多い場合は罰金があります。

BI:
食事代は請求されるのですか?

Zeng:
はい。どんな食べ物を選ぶかによって金額は変わります。5元(約80円)のこともあれば、8元(約130円)のこともあります。これは工場内の食堂の話です。工場の敷地内には、仕事を終えた後に食事を取るためのレストランもありますが、さらに高価で20元(約320円)くらい食事代がかかります。


BI:
料理は良い品質ですか?

Zeng:
とてもそうとは言えません。例えば、鶏肉では胸肉、もも肉を見ることはありません。いつも首や他の部位で識別できないような肉です。しかし、作業員はとても空腹なのでどんなものでも食べられるし、なにより心身を正常に保ってくれます。良いことだとは思いませんが、他に選択肢はありません。

BI:
食事中、他の人と話しますか?

Zeng:
友人と食事している場合は話しますが、多くの人は一人で食事をします。一人で食べる方が早く食事を済ませられるので、長い時間眠れるからです。食事の後さらに2時間働いて10分間休みます。

BI:
ここまでに6時間働きました。

Zeng:
さらに2時間働いて、合計8時間働くと、あとは残業があるかないか次第です。残業がない場合、解放されます。残業は月曜日から木曜日は2.5時間、金曜日と土曜日は2時間です。つまり、工場で過ごすのは合計12時間で、ここに休憩時間と食事の時間が含まれています。

BI:
それには(盗難防止対策の)金属探知機を通るために列に並んでいる時間は含まれていますか?

Zeng:
含まれていません。それを含める場合は、30分追加する必要があります。

BI:
働き終わると朝の7時半です。その後は?

Zeng:
普通は食事に向かいます。その後でシャトルバスで寮に戻り、シャワーを浴びます。運が良ければお湯が出ますが、お湯が出ないことも、水さえ出ないこともあります。シャワーを浴び終えると、インターネットカフェに行ってビデオゲームをしたり、映画を見たり電話をしたりします。


BI:
みな電話を持っているのですか?

Zeng:
電話は持っています。Wi-Fiは寮が提供します。しかしWi-Fiは有料で仮想コインを使う必要があります。100コインが5元(約80円)で、Wi-Fiは24時間で20コイン(約16円)必要です。私はだいたい朝の10時くらいにはベッドに行きたかったです。とにかく時間がありません。とても疲れているので、ほとんどの人が見れる映画は1本で、とにかく眠りたいのです。そして、再び夕方の6時半に起きます。これがルーティーンです。

BI:
友達はできましたか?

Zeng:
ルームメイトや同僚ができました。部署の同じ友人でいつも近くにいるので仲良くなります。最初の数日のトレーニングで友人ができました。トレーニング中はいつも同じでしたが、その後、別々の部署に配属されました。

BI:
友人の中には家族連れの人はいましたか?

Zeng:
はい。ガールフレンドや妻がいる人がいて、工場近くにマンションを借りることもあります。寮かマンションかは選択できますが、マンションは非常に家賃が高価です。ただ、パートナーといっしょにいる唯一の方法です。


BI:
組み立てラインで同僚とどんな話をしましたか?

Zeng:
私が感じたのは、「労働者たちに対する固定観念が正しくない」ということです。私たちは彼らを無教養だと考えていますが、そうではありませんでした。彼らとは、中国国内の南北関係や米中関係、南シナ海の外交問題など、その時点でのニュースについて話しました。また、エンターテインメントの話題や、有名人などのゴシップについても話しました。時々、アメリカの歴史について話すことさえありました。

BI:
同僚たちは仕事を好んでいましたか?

Zeng:
「好きではないが憎んでもいない」と言っていました。誰もプロセス自体を楽しむことはありません。なぜなら、「仕事に就く」ということは「出稼ぎに行く」ということだからです。お金を与えてもらえることを仕事と見なしています。いつも考えているのはお金です。家族を支え、子どもを育てる必要があります。それこそが、彼らの心の中にあることであり、どんなに疲れていようと気にしていません。

BI:
尊敬される仕事ですか?生計をたてられるまともな仕事でしょうか?

Zeng:
そうは思いません。工場での仕事は、警備員、配達員、家政婦などと同じレベルのポジションです。それは良いものには見えません。工場で働くということは、ホームレスになるのを防げるということです。スキルは必要なく、ただ工場に行くだけです。就職の面接では何の質問もされず、ただちに食事と寮の世話をしてもらえ、その日のうちに工場に入ることさえできます。

BI:
それをキャリア形成の一環と見ていた人はいましたか?

Zeng:
誰もキャリアの一部として見てはいないと考えます。工場の労働者の「回転率」は非常に高いです。2週間から1カ月そこらで工場を辞めるのは普通です。気に入らないと感じた人が、即座に仕事を辞めて移動することもあります。ごく一部の人が長く務め、1年後にラインマネージャーに昇進することがあります。

一番下っ端はオペレーター、次に複数の作業ができるポジションに就きます。3番目のレベルはグループリーダーで、その後にラインマネージャーが来ます。それ以降はセクションマネージャー、部門マネージャー、工場の責任者と工場を動かすポジションがあります。しかし、工場の作業員でなれるのはせいぜいラインマネージャー止まりで、生活を長く支えていくことはできません。

中国人の出稼ぎ労働者の就業パターンは、町に出て1年間働いたら仕事を辞め故郷に帰り、新年を実家で過ごし1カ月の滞在の後、また別の仕事を探す、というものです。

BI:
同僚はApple製品を使っていましたか?

Zeng:
ごく一部の人はiPhoneを持っていましたが、低賃金のためめったにいません。仮にiPhoneが手ごろな価格であればそれを買うでしょうが、彼らは「本当にそれが欲しいかい?2カ月の給料を貯金してiPhoneを買えるだろうか?」と言っています。彼らが使っているのはOppoのような中国製のスマートフォンです。

BI:
Pegatronで働いている労働者は、Apple製品を組み立てていることを知っていますか?

Zeng:
みな知っています。みな「これがiPhone 6」「こっちが今度登場するiPhone 7」というように。誰もが理解しています。

BI:
製品がiPhone 6sからiPhone 7に切り替わったとき、何を知っていましたか?未発売の製品であることを知っていましたか?セキュリティは厳しくなりましたか?

Zeng:
コントロールはより厳しくなりました。金属探知機の精度が高められました。ブラジャーをしている女性作業員が、金属反応のためドアを通過できませんでした。また、セキュリティチェックが2箇所追加されました。


組み立てラインの横でカーテンで仕切って作業ラインを組み立てており、私たち作業員は別の建物に移動させられました。準備が整うと、iPhone 7の製造が始まりましたが、その時点ではまだ試作品でした。この組み立て作業は、iPhone 6sのものとはまったく違います。私たちはそれを「拷問」と見なしました。

1日12時間の作業で5台の電話機しか生産されません。作業が終わると座ったまま何もしないで2時間待ちます。何か話すことは許されていません。静かに座って何もすることなく、次の電話機が来るまで待つのです。来たら作業をして、また数時間、次の電話機を待ちます。

iPhone 7を生産していたとき、Apple社員が毎日プロセスを監視していました。まだ世に出ていない製品なので、新しい問題がないか知りたいのです。工場の管理は厳重になります。すべての筐体が、今どこにあるのかが把握されており、以前の組み立てラインとはプロセスが大きく変わりました。

彼らは部屋を非常にキレイに保ち、ほこり1つ逃しません。部屋に入る度にホコリを落とすための粘着ローラーを使う必要があります。監視員はとても注意深く、常に歩き回っています。話したり、寝たりすることは許されません。

話すことなくただ座っていると、睡魔が襲います。1日3回も睡魔に襲われ、ラインマネージャーのアシスタントが歩いているのを感じる度に「ダメだ、ダメだ、ダメだ」と言って自分を覚醒させました。3度目に眠っているのを見つけると、「立ちなさい」と告げられ、座ることさえ許されませんでした。

BI:
工場にApple社員がいるという状況はどのようなものでしたか?

Zeng:
工場のマネージャーたちが「クライアントがここ(工場)にいる」とよく言います。彼らはAppleを「クライアント」と呼びます。時にはApple社員がラインマネージャーのような監視行為を行うために、組み立てラインを歩き回ることもありました。

BI:
アメリカではAppleは重要な企業とみられており、スティーブ・ジョブズには伝説的な逸話があります。Pegatronで働く人たちはAppleの話を知っていますか?

Zeng:
彼らはAppleについてそれほど理解しているとは思いません。「AppleはiPhoneをたくさん売っている」というのがごく一般的な認識だと思います。けれども、一部の労働者はAppleテクノロジーのファンです。私の隣に座っていた18歳の労働者は、Appleの大ファンでAppleについて多くのことを話すことができました。彼は夏の仕事が終わったら、大学に入るつもりだと話していました。

BI:
まだ世に出ていないiPhoneを「クール」だと考えていましたか?

Zeng:
はい。みなとてもクールなことだと考えていました。作業しているiPhone 7がまだ発売されていないiPhoneだとみな知っていました。

BI:
残業代について大きな問題だと考えられています。

Zeng:
Appleはルールに従っています。残業に対しては1.5倍の賃金を支払い、土曜日には2倍の賃金を支払っています。しかし私の経験から言えば、残業は自発的なものではありません。簡単に断ることができないものです。「もう帰っていいですか?」と聞けば、「ラインで作業しなければならない」と返ってくるでしょう。

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残業を断ることは簡単ではありません。それが問題だと私は考えています。労働者には選択権がありません。たとえ本当に疲れ切っていて早く帰りたい場合でも、残業を避けることはできません。それが問題です。残業についても事情はさまざまです。時々、「残業をしたい、もっとお金が欲しい」という労働者について耳にします。基本給があまりにも安いので、彼らは残業を求めざるを得ません。残業をせずに生計を立てられないことは工場側も知っています。

BI:
残業を入れると週に60時間以上働きますか?

Zeng:
私がいたころは、それほど忙しい時期ではありませんでしたが、工場を離れてからAppleはiPhone 7の大量生産を開始しました。当時の同僚の中には連絡が付く人がいますが、日曜にも働いていたと言っています。ある人は11日間休みなしに連続で働いていたそうです。

BI:
11日間連続?

Zeng:
はい、一貫して11日連続勤務です。日曜日にも働くので明らかに週に60時間以上働きます。忙しい時期には違う基準があると考えています。タイムカードがありますが、同僚は日曜出勤でもカードを通すと言っていました。Appleのポリシーに明らかに反する就労状態ですが、工場がどのように処理しているのかは分かりません。

BI:
なぜPegatronでは労働者は労働組合を作らないのでしょうか?

Zeng:
いくつかの理由があると思います。先ほど話したように、労働者が考えているのはお金だけです。労働組合によってお金が得られるならば、彼らは組合を望むかもしれません。2010年に海南自動車の工場で労働者が労働組合の結成を要求するという事件が起こりましたが、賃金が上がると誰も組合のことを気にする人はいませんでした。また、労働者は7日間ストライキをすることができませんでした。彼らは生活するために日銭が必要なのです。自腹を切ってストライキする余裕がないのです。また、労働者の「回転率」が高いことも大きな要因です。「この人は1カ月間一緒に働いているが、この人は昨日来たばかり……」というような状態では、団結することは難しいのです。

BI:
「モバイルプラットフォーム」とは?

Zeng:
中国名だけ覚えていますが、それは「掌知識」と呼ばれていました。Appleがセキュリティに関するトレーニングをするためのオンラインプラットフォームです。

BI:
Appleによって作られたものですか?

Zeng:
Pegatronの人はAppleと共同で開発したと言っていました。労働者はログインすると、資料を閲覧できます。工場に着いた初日に、「いいですか。みなこのQRコードをスキャンして、アプリをダウンロードしてください。アプリをダウンロードしなければ、明日組み立てラインに配属されません」と告げられました。全員がアプリをダウンロードしましたが、ラインで作業をしているときに「アプリはダウンロードしましたか?ダウンロードする必要があることを忘れていませんか?」と確認されました。2回目のトレーニングが終わると、作業服、帽子、スリッパをもらえました。

BI:
作業着は1セットですか?

Zeng:
はい。1セットしか持っていないので、週末に洗う必要があります。時には1週間に1度も洗えないことがあり、汗をかくためニオイがします。ひどいニオイの同僚もいましたが、みな1セットだけです。工場に入るときには作業服・帽子・スリッパのフルセットでないといけません。

Pegatronの管理者が来て、「聞いて。妊娠している人はいませんか?いたら手を挙げてください」「学生の労働者で、3カ月未満だけ働こうという人がいたら立ち上がってください」と言いました。誰も挙手したり立ち上がったりしませんでした。それをすれば仕事を失うからです。

予防接種も必要でした。ワクチン接種の前に、「重大な病気はないか?」、HIV患者を想定した「免疫系の問題が進行中かどうか?」というような質問をされました。問題なのは、100人以上がいる大部屋で質問がされることで、プライバシー侵害だと思います。

BI:
Pegatoronでの6週間でどれくらい稼ぎましたか?

Zeng:
最初の月は3100元(約4万9000円)もらいました。

BI:
iPhoneを買うには十分ではありません。

Zeng:
確かにそうです。

BI:
給料は同僚も同じだと思いますか?

Zeng:
ええ、みな同じレートを得ています。先ほどの金額は、基本給と残業代を合わせたものです。

BI:
トランプ大統領の大きなテーマは、「アメリカに製造業を戻すこと」です。

Zeng:
労働の観点から、労働集約型の製造業をアメリカに持ってくることは現実的だとは思いません。賃金について考えてみてください。中国人は2320元(約3万7000円)の給料を手に入れていますが、これは月収で400ドルです。アメリカの労働者はどれくらいのお金の支払いを受けるでしょうか?もしも、アメリカに工場が移されても多くの雇用が生み出されることはないでしょう。工場の作業の多くが現実には機械で行えることなので、多くの労働者は機械で置き換えられるのが分かります。労働者よりも機械の方が安いからです。

BI:
Appleの製造工場での労働環境を問題視するアメリカ人やヨーロッパ人にどうアドバイスしますか?

Zeng:
Apple製品のボイコットを呼びかけるのは現実的ではありません。Apple製品の購入を止めることは非常に難しいでしょう。もっと、このことについて話し合うべきです。ソーシャルメディアに投稿したり、日夜、同僚と話しあったりするべきです。ちょうど今、手にして使っているiPhoneは人間の手で作られているのです。




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