相次ぐ「スマートスピーカー」発売 裏側にある本当の狙いとは?(日経トレンディネット)



 アップルの新型iPhoneの話題が落ち着いてきた10月、同社のライバルであるグーグルやアマゾンなどのネット企業大手各社から、相次いで日本での新製品投入が発表された。

【関連画像】現在のスマートスピーカー人気の火付け役となったアマゾンの「Amazon Echo」が、日本でも年内に発売されることが明らかにされた。写真は今年9月にドイツで開催された家電見本市「IFA 2017」より

 各社が発表した「スマートスピーカー」と呼ばれる新製品は、いずれもiOSの「Siri」やAndroidの「Googleアシスタント」のような音声アシスタント機能を搭載したスピーカーだ。例えば「音楽をかけて」と話し掛ければ音楽を再生してくれるし、「今日の天気は!?」などと尋ねれば、その日の天気を音声で教えてくれる。

 スマートスピーカーは米国を中心として世界的に人気が高まっているが、日本語対応の課題もあって日本には長らく投入されてこなかった。ところが10月に入り、突如各社からスマートスピーカーの日本市場投入に関する発表が相次いだ。

●火付け役のアマゾンが日本参入を表明

 先陣を切ったのはアマゾンだ。同社は10月2日、自社開発の音声アシスタント「Alexa」を搭載したスマートスピーカー「Amazon Echo」を、年内に日本市場に投入すると発表した。発表資料によると、Amazon Echoは当初、招待制の販売となるなど制限されるもようだ。

 一方、Alexaを他社メーカーが採用する動きも活発化している。オンキヨーやHTC、アンカーなどがAlexaに対応したスマートスピーカーの開発を進めている。さらにNTTドコモや日本放送協会(NHK)、東日本旅客鉄道(JR東日本)などがAlexaに対応したサービスを開発していることが明らかになっている。こうした、提携企業のサービスも開始に向けて準備が着々と進められているようだ。

グーグル、LINEもスマートスピーカーを投入

 アマゾンの発表に合わせたかのように、ライバル各社もスマートスピーカーの日本市場投入を相次いで打ち出してきた。10月5日にはグーグルがスマートスピーカー「Google Home」「Google Home Mini」の2機種を発表(関連記事)。翌日6日にはGoogle Homeの販売を開始している(Google Home Miniは10月23日発売予定)。

 Google Homeは、先述の「Googleアシスタント」を搭載したスマートスピーカー。パソコンやスマートフォン向けのサービスで培った検索技術や音声認識技術を生かした性能の高さがウリだが、早くも日本市場における優位を築いている。というのも、Google Homeは発売の段階で大手新聞社が配信するニュースや、「Netfrix」をはじめとする動画・音楽配信サービス、グルメサイトの「食べログ」、不動産情報サイトの「SUUMO」など30以上のコンテンツやサービスに対応しているのだ。

 日本国内で利用できるサービスが充実していることは、利用者獲得の面で非常に重要な意味を持つ。日本市場投入に向けて周到に準備を進めてきたことが奏功したと言えるだろう。

 また同じ5日に、LINEもスマートスピーカー「Clova WAVE」を15時より正式に発売した(関連記事)。Clova WAVEは一部ユーザーに向けて、既に先行体験版が販売されていたが、その機能は音楽の再生などに限定されていた。今回はさらに対応する機能やサービスを充実させ、正式発売へとこぎ着けたようだ。

 Clova WAVEの最大の特徴は、やはりメッセンジャーアプリ「LINE」との連携である。他社のスマートスピーカー同様、Clova WAVEもリビングに設置して家電と連携させることに加え、外出中の家族との「LINE」のやり取りに使ってもらうことを想定している。

 ただ、プライベートなメッセージまで家族の前で読み上げられてしまうのは困る。そこでLINEでは、Clova WAVEで利用する、家族間コミュニケーション専用の「LINE家族アカウント」を用意した。このアカウントを用いることにより、家族同士のメッセージのやり取りがClova WAVE経由で可能になるとのことだ。

 また、ライバルが相次いで参入してきたことを意識してか、Clova WAVEは当初の販売予定価格だった1万5000円を1万4000円に値下げした。さらに来年1月末までは、Clova WAVEと音楽聴き放題サービス「LINE MUSIC」の12カ月聴き放題セットを1万2800円で提供するなど、お得さを前面に打ち出している。

 これら3社以外にも、今後は多くの国内外企業が、日本市場に向けてスマートスピーカーを投入するものとみられている。ハーマンインターナショナルは、「Googleアシスタント」を搭載したJBLブランドのスマートスピーカー「JBL LINK 10」「JBL LINK 20」を、年内に日本市場に投入すると発表した。

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