無料で遊べる! 面白すぎるローグライクカードゲーム

 ハースストーンの無料で遊べる1人用モードが恐ろしい面白さ

ハースストーンの図

カードパックを開けなくても遊べます

トレーディングカードゲームというとみなさんは何を思い浮かべますでしょうか? 「遊戯王OCG デュエルモンスターズ」でしょうか、「ポケモンカードゲーム」でしょうか、「マジック:ザ・ギャザリング」でしょうか?

最近は、トレーディングカードゲームのゲーム設計をベースに、スマートフォンなどで遊びやすくしたデジタルトレーディングカードゲームという分野も盛んです。日本ではCygamesの「シャドウバース」が人気ですし、2018年11月2日にはスクウェア・エニックスから「ドラゴンクエスト」シリーズのデジタルトレーディングカードゲーム、「ドラゴンクエストライバルズ」がリリース、12月18日には1,200万ダウンロードを突破しました。

日本ではこの2タイトルが非常に人気なんですが、実はこれらはBlizzard Entertainmentが提供する「ハースストーン」という、先行タイトルのフォロワーと言えます。ハースストーンは世界的に人気な、デジタルトレーディングカードゲームの火付け役で、なんとプレイヤー数は7,000万人を突破しています。

このハースストーンが「コボルトと秘宝の迷宮」という新しいカードパックを2018年12月8日にリリースしました。新しいカードパックはゲーム内通貨で獲得、あるいは有料にて購入するんですが、新カードパックの購入の有無にかかわらず、すべてのプレイヤーに無料でアドベンチャーモードという、本編とは別のゲームモードが提供されました。

ハースストーンは集めたカードで戦う対人戦が本編と言えますが、これはコンピューター相手の1人用モード、おまけのようなものです。しかしこれが、すさまじく面白いのです。ガイドは前もって新カードの情報を念入りに調べ、5,000円を出して新カードのパックを購入し、初日からガッツリ対戦を楽しむつもりでいましたが、このアドベンチャーモードが面白すぎてしばらく対戦ができないほどでした。

そしてもう一度言いますが、そのすさまじく面白いアドベンチャーモードは無料なのです。ハースストーンに関して言えば、いわゆる「基本無料」なわけですが、このアドベンチャーモードに限って言えば、「完全無料」です。クリアするためにはカード資産が必要ということすらなく、お金を払う場面は一切ありません。

これをやらないのはあまりにもったいない話です。対人戦部分も非常に面白いのでオススメではあるんですが、今回は、この無料の部分だけでも大変に面白いので、オススメしておこうと思います。今はドラゴンクエストライバルズなどでカードゲームに興味を持たれた方も多いでしょうから、ぜひ試していただきたい次第です。

ダンジョンを潜ってカードを集め、ボスを倒す

ハースストーンの図

基本は、カードで「ミニオン」と呼ばれるモンスターなどを戦わせて、スペルや武器なども駆使し、相手のヒーローの体力を削り切れば勝利というゲームです

今回紹介するのはコボルトと秘宝の迷宮のダンジョン攻略をするというゲームモードです。ダンジョンには8体のボスがいて、これらを撃破して最奥を目指します。

ここでは、カードゲームとしての基本ルールは割愛しますが、シャドウバースやドラゴンクエストライバルズはそもそもハースストーンの派生と言えるゲームなので、それらをプレイしている人ならすぐに理解できる程度の違いです。以下は、基本のルールなどに触れた紹介記事となってますので、気になる方はご覧になってみてください。

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ハースストーンでは9人のヒーローがいて、それぞれに専用カードがあります。ヒーローを1人選んでスタートすると、まずは最初のボスと対戦します。カードセットはヒーローごとに初期のものが用意されていますが、カードの枚数はたった10枚、そして基本的なものしか入っていない貧弱なセットです。しかしご安心ください、最初はボスも極めて弱い敵しかいません。

ボスに勝つと戦利品がもらえます。3枚セットになったカードが3種類ランダムに表示されるので、そこから1セットを選びデッキに加えます。手に入るカードセットはそれぞれテーマごとにまとめられていて、巨大なミニオン(場に出して戦わせるモンスターなどのカード)や、逆にコストの安い小型ミニオン、スペルのカード、武器のカード、あるいは倒された時に発動する「断末魔」の能力を活用するカードなんていうセットもあります。テーマを持ったカードセットから選べることで、ランダムではありますが、意図的なデッキ構築がしやすくなっています。

また数回に1度、戦利品とは別にダンジョンのお宝を見つけることができます。カードゲームをやり慣れている人なら、一見してゲームバランスを破壊しかねないと思うような強力なアイテムばかりが用意されています。

そのターンのミニオンを全てコスト0で召喚する「ヘイストブーツ」、自分の味方のミニオン全てが常に相手の攻撃や能力、スペルの対象とならない「透明マント」、スペルによるダメージが常に+3される「魔術師のローブ」などなど、こちらもランダムに表示される3種類から1つを選ぶ方式です。

ボスを倒し、戦利品のカードをピックアップ、そしてたまに宝物を加える形でデッキを強化し、8体のボスを倒し切ればクリアという流れです。プレイヤーは自分のデッキがどうなっているか、どうしていきたいかを考え、カードセットや宝物を選択してより強力な組み合わせを目指していきます。

愉快でとんでもないボスたち

ハースストーンの図

愉快で楽しいボスたちがダンジョンでプレイヤーを迎え撃ちます

迎え撃つボス達はというと、こちらも様々な能力を持っている敵が目白押しです。例えば「ヴードゥー師ヴェックス」というボスは、ミニオンが死亡した際に発動する「断末魔」という種類の能力が、常に2回起こるという力を持っています。

ヴェックスはこの能力を利用して、例えば「倒されると復活する」というような断末魔能力を仲間に付与するミニオンを使ってきます。この能力が付与された状態でミニオンが倒されると、復活の断末魔が2回繰り返されるので、2体に増えるという現象が起こります。うっかり倒せなくなるわけです。

しかし、ものすごく強いかと思えば、必ずしもそうではありません。ヴェックスは、倒されると味方を含めた全てのミニオンにダメージを与える、そんな断末魔を持つミニオンも繰り出してきます。

全体ダメージの断末魔を持つミニオンが複数いて、さらに復活の断末魔が付与されていると何がおこるでしょうか?1体が倒されると全体ダメージが2回繰り返され、それによって倒された他のミニオンの断末魔によるダメージがまた2回繰り返され、復活で出てきたミニオンがさらに倒されて、そのミニオンがまた全体ダメージを繰り返し……まるで地獄の炎のように画面中を焼き尽くすまで連鎖が止まらなくなることもあります。

プレイヤーは何も考えずに進めれば、倒せば倒すほど相手のミニオンが増えてしまったり、大爆発に巻き込まれてあっという間に自分のミニオンが消えてなくなりますが、断末魔の連鎖をパズルのように見極めれば、導火線に火をつけるがごとく極めて少ない手で相手だけを壊滅させることも可能です。

さらにとんでもない力を得るプレイヤー

ハースストーンの図

自分の陣地を爆弾だらけにする…なんていう宝物も

ボスは間抜けな奴もいれば、かなり厄介な能力の奴もいて、ランダムに登場してきますが、ダンジョンの奥に進めば進むほど手ごわくなっていきます。そして最奥8体目のボスは5種類いるのですが、どれが出てきても強力でヤバイ能力を持っています。

コストを無視して毎ターン強力なミニオンを召喚する者、プレイヤーのミニオンを破壊し、奪い、デッキに戻したりとやりたい放題する者、あるいは毎ターンプレイヤーのデッキのカードを破壊していくもの。

しかし、ここまでプレイヤーも様々な強化をしてきています。スペルカードをひたすらとった上に、宝物の効果でスペルの攻撃力を最大限にパワーアップしたり、巨大なミニオンとそれを低コストで呼び出すための宝物の組み合わせ。

さらには自分のヒーローがダメージを受けないという効果を発揮するミニオンと、自分のミニオンが攻撃や能力、スペルの対象にならない透明マントを組み合わせて、ミニオンを倒さないとヒー ローがダメージを受けないのに、そのミニオンに攻撃できないという、鉄壁の防御を固めてみたり。さまざまな方法でとんでもないボスをさらに上回るとんでもない力を得ることが可能です。

さあ、最後はボスのとんでもない能力とプレイヤーのとんでもないデッキのどちらが勝つか大決戦です。

ローグライクダンジョンカードゲーム

もう1回!undefinedの図

思わず「もう1回!」と言いたくなる面白さがあります(イラスト 橋本モチチ)

このゲーム、8体のボスを倒せばクリアなわけですが、クリアはかなり難しいです。1人のヒーローでクリアするにも、何度も何度もトライが必要です。どれかのボスに1度でも倒されれば、また初戦からスタート、デッキも初期からやり直しです。

しかし、それこそ何度でもトライしたくなる魅力があります。何しろ宝物はどれも使ってみたくなる強力なものばかり。いろんな組み合わせが頭に浮かびます。最初から狙った通りのカードが来て、今回こそいけると意気込む時もあれば、うまくカードが取れなかったと思っていたのに思わぬ1枚で大逆転が演出されることも決して珍しくはありません。

とんでもない宝物、とんでもないボス達、そんな中で毎回ピックアップにワクワクして進むと、自分が思いがけないような能力と能力のシナジー、さらにボスの能力も組み合わさって予想もつかない展開となります。

そして、何度もトライするうちに、それはそれはドラマチックなクリアを収めるのです。ゲームが破綻しそうなレベルのワクワクが、絶妙なランダム性によって破綻することなく存在し、勝つにせよ、負けるにせよ、毎回ドラマを生みます。

そのワクワク感やドラマが、何度遊んでも、失敗しても、成功しても、もう1回やりたいと思わせます。やってもやってもやめられなくなり、クリアすると自分がどんなデッキで、何の宝物を使い、どんなボスを相手に何が起こってクリアしたのか、周りの人に言いたくなるのです。

実際、ガイドが所属しているハースストーンのLINEコミュニティでは、このアドベンチャーモードが実装されてからそんな声で溢れています。まるで学校から帰った小学生のように、みんな嬉々としてゲームで起こったことを話すのです。

この感じが非常に似ているのは、不思議のダンジョンシリーズに代表されるローグライクという分野のゲームです。ダンジョンを潜って、アイテムを集め、どんどん強くなる敵に対し、それ以上に自分を強化して最奥を目指す、かなり共通する部分があります。ローグライクダンジョンカードゲームと言って良いかもしれません。

いかがでしょうか、強力な宝物、毎回ピックアップで強くなるデッキ、手ごわく、たまに間抜けなボス達、そしてそれらが巻き起こすドラマチックなバトル。興味をもっていただけましたでしょうか。そしてもう1度繰り返しますが、これは無料なんです。

別にパックを買う必要はありません。対人戦も大変オススメではありますが、アドベンチャーだけ遊んで満足したら削除するのも個人の自由でしょう。躊躇する理由があるとすれば、あまりに面白すぎて他のゲームを遊ぶ暇がなくなることぐらいです。ぜひ、お試しくださいませ!

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ゲームユーザーを減らす人と増やす人

ゲームユーザーは上級者しかいない?

スプラトゥーンの図

スプラトゥーンは最高ランクのS+じゃないと楽しめない?

ゲームはもう上手な人しかやっていないのではないか、そんな内容の匿名ブログが投稿され、話題になり、メディアにも取り上げられました。ブログの中では、匿名掲示板やSNSなどを閲覧していると、上手であり、やりこんでいなければ「ゴミ」であるというような価値観が綴られる切実なものでした。

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さて、言うまでもないことですが、ゲームを遊んでいる人すべてが上級者なんてことはあり得ません。そもそも誰もが最初は初心者なのです。しかし、周りが上手な人ばかりのように思えて、下手な自分は足を引っ張ってしまうと思うと楽しめない、というような気分になる人は、もしかすると少なくないかもしれません。

それは、ガイドが小学生や中学生だった昔より、今の方が多い気がします。今回は、なんでそんなことになってしまうのか、という点についてお話していきたいと思います。

匿名コミュニティの功罪

モンスターハンターの図

モンスターハンターシリーズでも、インターネットで情報を入れすぎると、こんな装備では一緒に遊ぶ人に迷惑が掛かる…なんてことを考える人も出てきます

この件に関して、ガイドは以前から考えるきっかけになる体験をしていました。というのは、niconicoにおけるゲーム実況動画です。ガイドは「ハースストーン」という、PC及びモバイル端末向けデジタルトレーディングカードゲームが好きなので、自分の対戦動画をUPすることがあります。

このゲームは1~25までのランクがあり、ランク1を突破するとレジェンドという称号を得られる仕組みになっていて、毎月プレイヤーはレジェンドを目指して対戦を繰り返します。ガイドの最高ランクは2、レジェンドまであと一歩及ばないというところです。これは、プレイヤー全体の上位数%ぐらいの腕前です。

そのくらいの腕前のガイドが動画をUPするとどうなるのか。実は、かなり怒られます。プレイミスを指摘されて、ひどい場合には、このくらいの腕前でアップして欲しくないぐらいのことを言われる場合もあります。

こういった、攻撃的なコメントはニコニコ動画だけでなく、ブログにあるように、匿名掲示板などでも多く見受けられます。「モンスターハンター」シリーズなどの協力プレイで、最低限この程度の装備を整えていなければ来ないでほしい、といったようなコメントを目にする人も多いのではないでしょうか。

ガイドの子どものころというのは、インターネットなんてありませんでしたから、自分と同じゲームが好きな仲間をたくさん見つけるというのは容易ではないことがありました。そういう意味では、同じゲームが好きな人たちがインターネット上でいろんな会話ができるというのは、とても素晴らしいことです。

しかし一方で、その会話が、こんなプレイはダメ、あれをもっていなければダメ、というった内容になれば、なるほど、たしかに上級者以外お断りの雰囲気を感じる場面もあるでしょう。

匿名ではないコミュニティだとどうなるのか

スプラトゥーンの図

実は、匿名性の低いコミュニティを作ってみると、初心者もちゃんといて、教えあって遊ぶ形が浮かび上がります

問題は、これが、ゲームユーザーが上級者ばかりだから起こる現象なのか、ということです。またしてもガイドの個人的な体験談で恐縮なのですが、ガイドは「ゲームルーム」というゲームイベントを毎週金曜日に開催しています。ゲーム好きが、好きなゲームを持ち寄って遊ぶ、誰でも参加できるイベントです。そのイベントの参加者さんで、いろんなゲームごとにLINEコミュニティを作っています。

本名などは知らないけれど、一度はイベントでご本人が会場に足を運んでいる、という形でコミュニティを作ってみると、実は、インターネット上の完全に匿名性が保たれたコミュニティのような、ゲームの上手な人で溢れるという現象は全く起きなくなります。

ハースストーンに関しても、ガイドは実際の腕前と同じような、長くプレイしている分そこそこ上手、というぐらいの位置に収まりますし、また、初心者や上手じゃない人を一方的に非難するようなコメントは出なくなります。

これはもちろん、ガイドが管理しているわけなので、「攻撃的なコメントをする人がいれば、それを注意し、場合によってはコミュニティから退出していただく」という前提のもとに運営している、という点もあるのですが、数年間運営していて、そもそもそんな注意をすることすらほとんどない、というのが実際のところです。

また、攻撃的なコメントがあるかどうかだけでなく、上手な人も下手な人も、初心者も熟練者もそこにはしっかり存在している、という点も重要かもしれません。

インターネットの世界は広く狭く、そして偏っている

スマートフォンを見るユーザーの図

せっかくゲーム好き同士の会話が楽しめるはずが、そのせいでゲームを遊びにくくなるとしたら、それはとても悲しいことです

バイアスという言葉があります。偏りというような意味ですね。インターネットは世界中につながっていて、誰とでもつながっているように感じることがありますが、実はバイアスが掛かっていることがおおいにあり得ます。

多くの人は、自分が苦手なゲームよりは、自分が得意で、長く遊んでいるゲームの話をしたいでしょう。得意でなければ、自分から発信するよりは、上手な人の話を聞くだけにしようという人が増えるかもしれません。

それこそ、ガイドが体験したように、ニコニコ動画で実況プレイをしている人が攻撃的なコメントにさらされている姿を見れば、余計なことを言うのはやめようと思うことはとても自然ではないでしょうか。おそらく、ガイドくらいの腕前だと、ニコニコ動画にプレイ動画をあげるなんておこがましい、ぐらいに考える人も少なくないはずです。

そうすると、インターネットの匿名コミュニティには、ゲーム上級者で溢れるという現象が起こり得ます。しかし、これは偏っているのです。インターネットの世界は広いようで狭く、そして偏りがあるのです。

本当はもっとたくさんの初心者がいるはずなのに、あるコミュニティではそれがまるで非常に少数であるかのようにふるまわれてしまうという現象が起きています。そして、それはあまり嬉しいことではありません。

ゲームはたくさんの人が遊ぶからこそ、継続して運営がなされますし、続編もリリースされます。初心者がいなくなれば先細りです。ゲームが好きなユーザーが、新しいユーザーを敬遠させる環境を作るのは、とても悲しいことでしょう。

減らす側よりも、増やす側に

ゲームユーザーの図

ゲームユーザーを減らす側ではなく、増やす側に回れるよう、常に心掛けたいものです(イラスト 橋本モチチ)

おそらく、初心者も楽しめるコミュニティ作りをする、目指す、ということは、不可能ではないでしょう。ゲーム業界は、自分たちが提供しているゲームに関して、より多くの人がプレイしたくなるようなコミュニティの形成を目指す、という努力はもっとあって良いのかもしれません。

一方で、上級者のコメントで溢れる、排他的なコミュニティを無くすことができるかといえば、それは現実的ではないかもしれません。そういったコメントを規制することはできないのです。となれば、ユーザーがするべきは、距離を置くことでしょう。

匿名の人間が気軽にコメントできるコミュニティは、得てして上級者による排他的な空気が作られやすい傾向がある、ということをあらかじめ理解していれば、あまり気にならないかもしれません。しかし、どうしても気になってしまうという方は、そういったコミュニティからの情報収集を控えるというのも、自己防衛として良いのではないでしょうか。

また、1人のゲームユーザーとして言わせていただければ、初心者お断りの雰囲気をインターネット上でばらまく人は、たとえそのゲームが上手だとしても、ゲームプレイヤーとして決して尊敬はできません。最後にもう1つ、ガイドが個人的に体験したお話をしたいと思います。

ガイドは、将棋があまりわかりません。といっても、基本のルールは知っていますし、子どものころは父親と指したこともあります、スマートフォンのアプリでプレイすることもあります。しかし、そのあまりに深淵なゲーム性に、これは数十時間程度のプレイではびくともしないぞと思い、それ以上のめりこんでいませんでした。

ある時、たまたま仕事でプロの将棋棋士の方と将棋を指す機会に恵まれました。インタビューの写真撮影の雰囲気作りで指しただけのことでしたが、赤子の手をひねるとはこのことで、全く歯が立たないどころか、自分が何をしても先を読まれているような感覚を味わいました。

その時、プロ棋士の方が何を言ったか。実は大変に褒められました。「全然分からないなんておっしゃってましたけど、そんなことないですよ。きっちり狙って指せているのが、伝わってきました」その上で、ガイドでも分かるように基本の考え方を教えていただきました。これがプロというものだなと、いたく感心したのは、その圧倒的な腕前ではなく、初心者に対する態度の方でした。

この方は将棋が好きで、いつでも将棋が好きな人を増やしたいと思っていて、その振る舞いが完全に自分のものとして身についている、やはりプロは違うな、そう思いました。尊敬できるプレイヤーというのは、やはりそういう人でしょう。

これは1人のゲームユーザーとして思うことではありますが、自分も、減らす側よりは増やす側になっていたいと、そう思います。

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Appleによるガチャ規制と、ルートボックス問題

iPhoneのガチャは確率表記が義務に

iPhoneの図

Appleが自主規制に乗り出した背景には、日本だけではないガチャの問題があります

日本ではかなり以前より社会問題となっているゲームにおけるガチャの扱いにおいて、Appleは「App Store審査ガイドライン」を改訂し、ランダムでアイテムなどを提供する仕組み、日本におけるいわゆるガチャで、その排出率を消費者に明示することを義務としました。

簡単かつ大雑把に言えば、iPhoneで遊ぶゲームのガチャは確率表記してねと、そういうことです。ちなみに、規約が改訂されたのは英語版で、日本語版はこの記事を書いている2017年12月22日現在では反映されていない模様です。

このルールが徹底されるとすれば、非常に大きな影響を受けるのは日本のゲーム業界でしょう。なにしろ日本のゲーム業界は、モバイル端末向けゲームのガチャによる収益構造に依存する部分が非常に大きく、また、日本のモバイル端末市場は、Apple製品が圧倒的なシェアを獲得しています。

冒頭で申し上げた通り、日本ではかなり以前からガチャは社会問題として取り上げられてきたわけですが、Appleの対応は、必ずしも日本のゲーム業界が発端で行われたというわけではなさそうです。というのも、実は今、世界的にガチャが問題になっているからです。

世界的な問題になりつつあるルートボックス

ルートボックス

ガチャガチャから連想するのは日本のイメージで、海外では箱のイメージだったりも

日本におけるガチャというのは、海外では「Loot Box」あるいは「Loot Crate」などと称されます(以下ルートボックス)。これが非常に大きな問題として注目を集めたのはエレクトロニック・アーツが提供するファーストパーソン・シューティングのタイトル「Star Wars バトルフロント II」でした。

海外のゲームでもガチャの要素を持つタイトルはありますが、Star Wars バトルフロント IIに搭載されていたのは、排出されたアイテムによってプレイヤー同士の対戦を有利に進めることができる、という点でした。

つまり、ガチャをたくさん回した人が勝ちやすくなるということで、こういう仕組みを支払った方が勝つという意味でPay to Winと言います。任天堂の「スプラトゥーン」最新作に有料のガチャが搭載されて、有利なギアやブキが手に入るようになったらプレイヤーはどんな反応を示すか……と言えば日本のユーザーにも分かりやすいかもしれません。

「Star Wars」を冠する大型タイトルにPay to Winが採用されたということで、ユーザーから大変な批判が起こり、それに伴ってルートボックスそのものの問題が社会的に注目されるようになります。

ベルギーでは、賭博罪に認定の可能性も?

スマートフォンで遊ぶユーザーの図

日本のガチャでもそうですが、未成年がアクセスできるという点は、特に問題視されやすくなります

その中でもとりわけ強く反応した国の1つはベルギーでした。ベルギーではStar Wars バトルフロント IIに加えて、Blizzard Entertainmentが提供するファーストパーソン・シューティングの「オーバーウォッチ」のルートボックスについて、それがオンラインカジノに該当するかという調査が行われています。

また、アメリカにおいては、ハワイ州で2017年11月21日に州議会議員のChris Lee氏がハワイ州を代表して会見を開き、Star Wars バトルフロント IIを名指しで、子どもにお金を使わせるオンラインカジノであるという内容の声明を発表。販売等の自粛や、ルートボックスに代わる仕組みを要求しています。

ゲーマーの論理と社会の論理

ガチャを回すユーザーの図

ガチャの結果が対戦や競争の行方を左右するのか、というのはゲーマーには重要ですが、社会的な問題となった時に論点とされるかは微妙なところかもしれません

少し、話はそれるのですが、ベルギーにおいてStar Wars バトルフロント IIに加えて、オーバーウォッチも槍玉に上がっている点は、注目すべきかもしれません。

ゲームユーザーの視点で考えるなら、Star Wars バトルフロント IIとオーバーウォッチのルートボックスには大きな違いがあります。前者はPay to Winということで大変な批判を浴びましたが、オーバーウォッチのガチャはスキンなどのビジュアル的要素に留まり、ゲームの勝敗には関係が無いため、多くのユーザーに受け入れられていました。しかし、一旦社会問題となってしまえば、そういったゲーム業界的な論理が必ずしも通じるとは限りません。

どちらもくじ引き形式であり、お金を払って当たり外れがあるのだから、賭博のようなものだろう、と判を押されてしまえば、ゲーム業界の論理など関係なく、一律に規制されてしまう可能性は十分にあります。

世界的なルートボックス問題に呼応したAppleの動き

パズドラの図

パズル&ドラゴンズなど、日本のゲームにも大きな影響がありそうです(イラスト 橋本モチチ)

今回のAppleによるガチャの排出率表記義務化は、こうした世界的なルートボックス問題に対する規制の動きや議論に呼応したものと考えられます。問題がより大きくなって、結果的により厳しい規制ができてしまうよりも前に、自主規制をしていこうという動きでしょう。

日本においても日本オンラインゲーム協会(以下JOGA)などの業界団体がガイドラインを設定していますが、AppStoreという販売プラットフォームを運営するAppleが義務付けるとなると、業界団体よりも遥かに大きな影響力を持つことが予想されます。何しろ、Appleがこのルールを厳しく取り締まれば、そこから逸脱するゲームはiPhoenで遊ぶことはできなくなるのです。

実際のところ、JOGAでは、ガチャレアアイテムの取得にかかる推定金額を5万円以内に抑えるといったことや、それを超える場合は推定金額や倍率を表示するといったガイドラインを提示していますが、「レアアイテム」の定義が曖昧なため、メーカーの解釈によって回避が可能な状況になっています。

現在、大手ではガンホー・オンライン・エンターテイメントの「パズル&ドラゴンズ」やミクシィの「モンスターストライク」などが確率表記を行っていませんが、Appleの規約が運用されれば、これらのゲームも確率が表記されていくかもしれません。

日本のモバイル端末向けゲーム市場は、ガチャなくしては語れないような形になり、それに伴って大きな社会問題となっていましたが、信頼に足る自主規制はなかなか育まれてはきませんでした。一方、海外の大型タイトルにおいてもガチャを搭載するゲームが増えていくことで、各国で社会問題となり、結果Appleが動く形になりました。

そしてこの動きを喜ぶ日本のユーザーがいます。確率表記がなく、どうにもメーカーを信頼できない状態にあったが、これでやっと確率表記してくれるんじゃないかと喜んでいるのです。海外で大きな問題になったおこぼれで、日本のゲーム業界の健全化が進む、というとなんとも情けなく聞こえもしますが、良い方向に進むことを望みたいものです。

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帽子が解決してること マリオ オデッセイ

帽子のすごさ

マリオ オデッセイの図

今回のマリオは帽子とともに旅をします

春にニンテンドースイッチと同時発売で「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」が登場し、世界中がその新しさ、完成度に舌を巻きました。そして秋に「スーパーマリオ オデッセイ」が登場すると、もう一度世界中のゲーム関係者がざわつきます。

ガイドもオデッセイをプレイすると、あっという間に夢中になって、そしてマリオとともに世界中を旅し、旅先の国をどこまでもどこまでも走り回り、そしてクリアした後も、まだ楽しくて旅を続けています。

さて、本作には優れている点が非常に数多くありますが、そのうちの1つは帽子のアクションでしょう。今回のマリオはキャッピーという、意思のある帽子と旅をします。そして帽子を投げるアクションが加わっているんですが、これがアクションゲームとしての間口を広げつつ深みを出すという見事なギミックになっています。途中、強制的に帽子がない状態でプレイするエリアがあったりするんですが、急になんだか心細く感じたりするほどです。この帽子のすごさについて、お話したいと思います。

帽子でできること

ニンテンドースイッチの図

振りやすいように、バラバラのJoy-Con2つを両手にもって遊ぶスタイルが推奨されています

帽子はYボタンを押すとクルクルーと回転しながら前方へ飛んでいきます。一定距離飛ぶとマリオのもとにもどってきますが、Yボタンを押しっぱなしにしておくと、飛んだ先でしばらく止まってから戻ります。止まっている帽子に駆け寄ると、帽子を台にしてびよーんと跳ねることもできます。

帽子を投げた先に、何かがあると帽子は反応して勝手にアクションしてくれます。コインがあればとってくれますし、杭があれば引っこ抜きます。床が汚れていれば拭き取ってくれたりなんてことも。さらに重要なのはキャプチャーです。帽子が飛んだ先に、キャプチャーできる対象がいると、マリオはキャプチャーします。キャプチャーというのは簡単に言うと、相手に乗り移るということです。カエルにキャプチャーするとマリオはカエルになって、高くジャンプできるようになります。カエルマリオになるんじゃないですよ、カエルになるんです。

このキャプチャーはすごく面白くて、クリボーになって仲間のクリボーの上に乗っかってみたり、キラーになって飛んでみたり。大きな恐竜にキャプチャーすれば周りのものを破壊しながら突進できます。生き物だけではなく、戦車にキャプチャーして砲弾を撃つとか、果ては電気にキャプチャーして電線の中を進むなんてことまでできます。

あまりに便利なのに慣れてしまって、ある時バイクが置いてあるので、よしバイクにキャプチャーしようと思ったらキャプチャーできず、ちょっと悩んだ後、普通に乗ることを思いついた、なんてこともガイドはありました。

帽子は投げたあとにJoy-Conを振ると近くの対象にホーミングしてくれるので、コインを取るのでもキャプチャーするのでも、近くに投げてJoy-Conを振ればうまいことやってくれます。

帽子が解決してくれる

マリオ オデッセイの図

キラーだやばい! タイミングを計ってジャンプ…しなくても帽子投げとけばキャプチャーして、今度は自分がキラーに!

さて、この帽子を投げるアクションなんですが、これが楽しいだけでなく、ゲームをかなり遊びやすくしています。マリオが敵を倒す方法といえばジャンプして上から踏むというのが定番ですが、3D空間ではこれが結構難しいんですね。でも、ご安心、今回は帽子がありますから。ボス戦などはともかくとして、ほとんどの場合は踏まなくても何とかなります。帽子さえ投げておけば、倒せるか、キャプチャーできるか、どちらかです。

もう1つ、マリオといえばジャンプして足場から足場に飛び移るアクションです。やっぱり、3D空間を把握してジャンプするのは慣れがいります。しかし、これも困ったら帽子を投げておけば何とかなることが多々あります。単純に帽子を投げると滞空時間が少し伸び、飛距離もちょっと稼げます。さらに投げた先にキャプチャーの対象がいれば、キャプチャーするんですね。キャプチャーはマリオがその場で変身するのではなく、対象に乗り移るんです。つまり、足場にいる敵をキャプチャーできれば足場に瞬間移動することになります。

とにかく怪しいものがあったら帽子、敵が来たら帽子、落ちそうになったら帽子、困ったら帽子でいいんです。誰でも簡単に遊べる…とまでは言いませんが、帽子にアクションをいくつも集約することで、相当に遊びやすくしています。

帽子を使って、さらに高みへ

ニンテンドースイッチの図

スーパーマリオ オデッセイはニンテンドースイッチのブームを支えるソフトに

帽子を投げておきさえすればいいんだから、今回のマリオは簡単でやりごたえがないのでしょうか? とんでもありません! さらに素晴らしいことは、この帽子のアクション、慣れて使いこなせるようになると、今度はさらに複雑に組み合わせて縦横無尽に駆け巡ることができるようになるのです。

例えば、マリオはジャンプした後、空中でZLボタンとYボタンを押すことで。さらに前方にダイブすることができます。これを帽子と組み合わせて、まずジャンプ、空中で帽子を投げる、Yボタン押しっぱなしで帽子待機、帽子に向かってダイブ、帽子を踏んでさらに高くぴょーん、そこからもう1回ダイブ、なんてことができてしまいます。

もちろん初心者が最初からこんなことはできませんし、ここまで複雑な動きができなくてもゲームを進めることができるように設計されています。ですが、使えるようになると、同じ場所でも何通りの方法で目的地に行くことができるようになっていろんな場所にまるで忍者のように移動できるようになりますし、落ちそうな場面でも空中で帽子を踏んでかなり先の足場までいくことができます。

マリオのアクションにはこの他にも、3段ジャンプであるとか、壁キック、走り幅跳びなどなど、多彩なアクションがありますから、複雑に組合すと思いもよらない動きができるのです。そしてアクションが上達していく時の爽快感、帽子を巧みに操って空中でアクロバットを決める気持ちよさは、格別のものがあります。

箱庭マリオの最高峰

スーパーマリオ 3Dランド

「スーパーマリオ 3Dランド」などは、箱庭ではないステージクリア型のマリオ(イラスト 橋本モチチ)

さあ、簡単に遊べて、しかも奥が深いアクション、これを使って今回は世界中を旅します。限定されたコースではなく、広い国を駆け巡ることができるのです。これがもう本当に、本当に楽しいんです。

非常に特徴的な場所として、ニュードンク・シティという国があります。これはおそらくニューヨークをモチーフにしていて、マリオの世界とは思えないような、ビルが立ち並ぶ国です。しかし、現代的な街並みをマリオがアクションすると、これはもうメチャクチャに楽しいんですね。地上からビルのてっぺんへ、てっぺんから舞い降りて、途中で帽子を投げて方向転換、ダイブして帽子踏んでまたジャンプ。縦横無尽に駆け巡ります。

今回はパワームーンというアイテムを探すのがゲームの主な目的で、これが各地の国中に、たくさん隠されています。また、国ごとにその国限定のコインが隠されてまして、これも探すとマリオの衣装などを購入することができます。

このパワームーンとコインを探して国中の隅から隅まで走りまわるわけです。ストーリーを進めるのに必要なパワームーンはあまり苦労せずとも集まります。コインは全く集めなくてもゲームの進行に支障はありません。でも、遊んでると楽しいので、ガイドは夢中になってかき集めました。死角になっている場所、複雑な地形を登って到達するところ、高いところから飛び降りていくところ。細い道、木の上、ビルの陰。それこそ帽子を駆使して国中をビュンビュン駆けていくんです。マリオですから落ちたらミスという場面もたくさんありますが、それ以上に、別に落ちても失敗してもリスクなく、とにかくマリオのアクションを自在に操って、帽子を投げて、北へ南へ、上へ下へと国中を駆け巡る時間がたっぷりあります。

ある程度狭い空間で、はっきりとした道がきまっているステージを遊ばせることをメインにしたマリオに対し、今回のように広い空間を自由に遊べるマリオを箱庭マリオと呼ぶことがあります。スーパーマリオ オデッセイは箱庭マリオの決定版とも呼べる楽しさです。そしてその楽しさを支えているのが、帽子のアクションなんですね。Yボタンを押すだけでいくつもの役割をこなしてくれつつ、うまくあやつればマリオがまさに自由自在。

ゲームを始めて困ったことがあれば、とにかく帽子が色々解決してくれて、慣れてくると帽子を使ったさらに複雑な動きができるようになり、気がつけば帽子と一緒に世界中を旅してありとあらゆる場所を制覇している、それがマリオ オデッセイなんです。

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田下広夢の記事にはできない。(ゲーム業界ニュースガイド個人運営サイト)

ポケ森からの人に伝えたい、りんごが食べれる森のこと

「どうぶつの森 ポケットキャンプ」リリース

どうぶつの森の図

かなりどうぶつの森なんですが、全然違うといえば全然違います

「ついに来た」と思った人も多いことでしょう。ある意味では、任天堂のモバイル端末向けゲームアプリ大本命ともいえる、「どうぶつの森 ポケットキャンプ(以下ポケ森)」が2017年11月21日にリリースされました。

ガイドの周りでもプレイしている人が多く、中にはどうぶつの森をプレイしたことがない人もいるようです。任天堂は、スマートフォン向けのアプリをコンシューマーへの導線と位置づけていますから、そういう意味で非常に良い傾向かもしれません。しかし、ちょっと気になったこともありました。「私、どうぶつの森は初めてなんですが、こういうゲームだったんですね」という感想を持った人が少なからずいたことです。

ポケ森は、どうぶつの森シリーズをスマートフォン向けに落とし込み、遊びやすく楽しい作品に仕上がってはいますが、どうぶつの森ってこんなゲームだった……と言われると、ちょっと、いや、かなり、相当にモヤモヤします。

というのも、ポケ森はどうぶつの森らしさをうまく再現してるかといわれると、ある部分では大変上手に再現しているんですが、一方で、同じゲームかといわれると、全くの別物とも言えるからです。

あなたのキャンプにどうぶつ達を招待しよう

どうぶつの森 ポケットキャンプの図

一度招待したどうぶつは、いつでもキャンプに来てくれるようになります

まずは、簡単にポケ森というゲームがどんなゲームなのかご説明しましょう。主人公となるプレイヤーキャラクターは、キャンプ場にキャンプをしに来ます。そこにはいろんなどうぶつ達がいますから、彼らが気に入るキャンプ場を作ることができれば、遊びに来てもらうことができます。

例えば、緑色が好きなどうぶつがいれば、テーブルやイスなどを緑色にまとめてコーディネートすれば、遊びに来てくれるかもしれません。かわいいものが大好きなどうぶつなら、クマの人形はいかがでしょう。ロックでファンキーなどうぶつなら、エレキギターやドラムセットを置いちゃってもいいかもしれませんね。

しかし、これらの家具や道具を作るには材料とお金が必要です。そこで、どうぶつ達のお手伝いをして、そのお礼に材料やお金をもらいます。魚を取ってきてほしい、フルーツが食べたい、虫が捕まらないんだけど……。そういったお願いを聞いて、キャンプ場のあちこちにいって、魚釣りに虫取り、果物集めをします。

そうやって、どうぶつ達をお手伝いして、仲良くなって、お金や材料を集め、素敵な家具や道具でキャンプ場を盛り上げて、たくさんのどうぶつ達を集めるゲームとなっています。

遊びやすくて、入りやすい

スマートフォンで遊ぶユーザーの図

スマートフォンで遊ぶように最適化されています

ポケ森のとても良いところはゲームが分かりやすいところでしょう。ゲームを始めると、どうぶつ達と仲良くなって招待するというはっきりした目的が示されます。どうぶつ達とどのくらい仲良くなったかはレベルで表示されて、レベルがあがるごとにご褒美がもらえます。どのくらい仲良くなれば、どんなものがあればキャンプに来てくれるかも、はっきりと示されています。

どうぶつ達とたくさん仲良くなるとプレイヤーのレベルもあがり、プレイヤーのレベルに応じて新たな家具が作れるようになったり、新しい動物がキャンプ場に訪れるようになります。

そうやっているうちに、いろんな家具が集まって、好きなどうぶつ達と仲良くなり、キャンプ場を自分好みにできるようになっていきます。しかし、遊びやすくてコンパクトになった分、実は失われている部分もあります。

本来のどうぶつの森

どうぶつの森の図

本家のどうぶつの森は果物をとったら、自分でモグモグ食べれます。意味はありません、食べたい人が食べるだけです

ガイドの個人的意見としては、ポケ森はポケ森で面白く、遊びやすいし、初心者が始めるには、むしろこの方がよいぐらいかもしれない、と思っています。しかし同時に、初めてどうぶつの森に触れる人には、ポケ森はどうぶつの森をコンパクトにまとめた別物である、ということをお伝えせずにはいられません。

どうぶつの森はニンテンドー64の後期に登場したゲームでした。そのほのぼのとした雰囲気とは裏腹に、当時としてはとても挑戦的なゲームでした。というのも、どうぶつの森は何をしたらいいかよくわからないゲームだったからです。

本来のどうぶつの森は、どうぶつ達が住む村に訪れたプレイヤーがそこで暮らすゲームです。ゲーム序盤にたぬきちというたぬきの不動産屋に無理やりローンで家を買わされ、目的らしい目的といえば、そのローンを返すことぐらいでしょうか。

しかし、ローンを返したからと言って何かが達成されるわけではありません。しいて言えば、家を広くすることができるようになるぐらいです。じゃあ、プレイヤーは何をしたらいいのか。何をしてもいいんです。それこそが大きな特徴でした。

りんごって食べられる

どうぶつの森の図

本編では、だらだらすごすこともできれば、カブを株式のように売り買いしてガッポリなんていう遊び方も

魚釣りをしてもいいし、果物をとってもいい、地面を掘ればハニワや化石がみつかって、ハニワは家に飾ったり、化石は博物館に寄贈したり。博物館は魚や虫も寄贈できて、どんどん展示が充実していくのがとても楽しいんです。化石はバラバラなものを発見していって、だんだんでっかい1体ができると壮観です。

ポケ森のように、どうぶつ達に頼まれごとをすることもありますが、自分で勝手に手紙を書いて、Tシャツでもつけて送り付けることだってできます。もちろんお返事ももらえます、気に入るとTシャツを着てくれたり、そうでもないと売られちゃったり。シリーズが進むとオリジナルの服を作ることもできるようになりまして、それがまた夢中になるんです。

りんごの木があるとするじゃないですか。本編のどうぶつの森でも、どうぶつ達に頼まれてりんごをもっていくことがあります。売ることもできますが、本編では自分の村にはもともと1種類しか果物が自生してなく、りんごが自生してない村にもっていくと高く売れるので、これを利用したお金稼ぎをする人がいます。地面に植えるとりんごの木が生えてくるので、植林を繰り返して果樹園を作ることもできます。

こうなってくると、立派なお仕事ですね。お部屋に飾ればインテリアのアクセントに。かと思えば、手にもってムシャムシャ食べることもできるんです。食べるとどうなるか?意味はないです、りんごが1つ減りますが、おいしそうです。

どうぶつの森は本当にいろんなことをやることができて、頑張って魚や虫をコンプリートする人もいれば、お金稼ぎに必死になる人もいますし、お部屋作りに凝る人もいますし、特に生産的なことをめざずにダラダラしてるのも楽しいゲームです。ポケ森とは違い、そもそもレベルなんて概念もなければ、タイムリミットが表示されたりもしません。むしろどうぶつの森にレベルを導入するって、かなり大胆に思えます。

ポケ森では、家具ができるまでの時間や、新しい実が木になる時間、どうぶつが滞在している時間なども表示され、いつまでに何をするべきか、いつになったら何をするべきかがはっきりしています。それが遊びやすい部分もありますが、逆に言うと、これをしなさいという指示がはっきりしすぎて、本編の自由な暮らしはあまり感じられません。

本編も遊んでみて欲しい!

ニンテンドースイッチの図

おそらく発売されるであろう、ニンテンドースイッチ版もとても楽しみです(イラスト 橋本モチチ)

どうぶつの森本編をとても気に入っていた人の中には、ポケ森ではどうぶつの森のコアな部分が失われているように感じられて、すごくガッカリしている方もいるようです。そういった気持ちもよくわかります。レベル?タイムリミット?自分らしい暮らしは?そういう気持ちも確かに分かります。

しかし、これはこれで楽しんでいる人がいることも事実ですし、ポケ森にはポケ森の楽しさや分かりやすさ、手軽さがあって良いと思います。そして、無料で始めやすいスマートフォン版でどうぶつの森に触れる人が増えて、気に入ってくれたとしたら、それはどうぶつの森シリーズにとって歓迎するべきことでしょう。

想像してみてください。いきなり何万円もするハードと何千円もするソフトを買い与えるのは難しいから、ちょっと自分のスマートフォンで遊ばせてみたら、どうぶつ達の世界を娘ちゃんが大いに気に入り、お願いにお願いをかさねてクリスマスや誕生日にコンシューマー版を買ってもらう。そういうことがあるとしたら、最初の出会いの場に選択肢が用意されることは大変に喜ばしいことです。

ポケ森で、どうぶつの森シリーズのかわいらしい絵柄であるとか、楽しいどうぶつ達であるとか、素敵な家具なんかを気に入ってくれたら、次はぜひコンシューマーのどうぶつの森にも挑戦してほしいと思います。おそらく、どうぶつの森はニンテンドースイッチ版も発売されることでしょう。ポケ森を遊んでいれば、何をしたらいいかわからない、ということもないかと思います。

そして、一生懸命頑張ってみてもいいし、のんびりのんびりしてもいい、あなたらしい暮らしをを満喫できるどうぶつの森を楽しんでみて欲しいと思います。ポケ森のように生産的な暮らしがしたければどうぞご自由に、でも疲れたら喫茶店に行ってゆったりとコーヒーブレイクなんていうのも楽しいゲームなんですよ。

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ただで遊ばせてあげるから勘弁してよ

ドッカンバトル問題から何を学ぶべきか

スマートフォンで遊ぶユーザーの図

この事件には、モバイル端末向けゲームアプリ全体にもかかわる問題が潜んでいます

ゲーム業界にとって非常に大きな事件が起こりました。バンダイナムコエンターテイメントが提供するスマートフォン向けゲームアプリ「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」において、くじ引き方式でキャラクターを獲得する「ガシャ」の「出現キャラ一覧」や「出現キャラ提供割合」に誤表記があったことで大きな問題となりました。

ガシャは、一般的に言うところの「ガチャ」で、くじ引き方式でキャラクターを獲得する仕組みです。このガシャにおける「出現キャラ一覧」や「出現キャラ提供割合」の内容がユーザーごとに違う、という不具合があり、ユーザーから大きな反発が起こりまして、バンダイナムコエンターテイメントや、共同開発、運営をするアカツキの株価が暴落するなど、大きな騒ぎとなりました。

運営の説明が正しければ、これは単なる誤表記ということなんですが、なぜこれがそんなに大きな騒動になったのでしょうか。簡単に言えば、ユーザーはこれを表記の問題ではなく、確率操作の問題であると捉えたからです。

確率操作疑惑

お金をたくさん使ったユーザーの図

お金をたくさん使ってしまったあとに、誤表記について気が付いて「やっぱりやっていたのか!」となるわけです

2017年11月14日、ドラゴンボールZ ドッカンバトルのVer.3.8.0のアップデート後に、「出現キャラ一覧」や「出現キャラ提供割合」の内容がユーザーごとに違う、という不具合が起こりました。この時、万単位の課金をしたユーザーなどから、多額の課金をしたのに目当てのキャラクターが出ないことに対して、そもそも自分のアカウントでは「出現キャラ一覧」に目的のキャラがいないからではないか、というような声があがります。

こういった声があがる背景として、ドラゴンボールZ ドッカンバトルに限らず、ソーシャルゲームのガチャにおいて、運営側がユーザーごとにガチャの確率を操作しているのでは、という疑惑がユーザーの中でささやかれていたという経緯があります。

課金額によって確率を変えているのではないだろうか、声優などSNS上で影響力が大きい人には良いキャラが当たるようにしているのではないだろうか、というような憶測です。

今のところ、そういった憶測のほとんどは憶測のままで、確実な証拠をつかんではいません。しかし、ガチャの射幸心を煽る傾向が過熱していくほどに、大金をかけても目当てのキャラクターが出なかった人の不満が貯まり、不信感に繋がっていきます。

そういった中で、今回ユーザーごとに表記が違ったという不具合を見て、「やっぱりやっていたのか!」「しっぽをつかんだ!」と思ったユーザーは少なくなかったということが考えられます。

ソースコードの提示

ガチャを回すユーザーの図

使ってしまった分のアイテムを返還し、さらに全員に上乗せしてアイテム配布を行うといいます

これに対して、ドラゴンボールZ ドッカンバトルの運営は、2017年11月16日に公式な謝罪を表明。確率操作に関しては明確に否定し、表記不具合がどのように起こったかについて、ソースコードを公開するという、異例の方法で説明を行いました。

その上で、表記不具合中に当該のガシャを行ったユーザーにはガシャを行うのに必要なアイテム「龍石」を全て返還、なおかつ全ユーザーに龍石300個をお詫びとして提供することを発表しました。龍石は、まとめて購入すると安くなりますが、1個あたり60円~120円程度の価格で、安く見積もっても全ユーザーに18,000円程度の補填をしたことになります。

一定の説明責任を果たし、かなりの補填を発表したことで、事態は沈静の方向へと進んでいるようです。

ただで遊ばせてあげるから勘弁してよ

詫び石の図

詫び石の全てが問題…というわけではありませんが、なんでもかんでもこれで解決というはいびつに思えます

これが、運営の説明通りに表記の問題だったのかどうか、本当のところは分かりません。意地の悪い言い方をすれば、公開されたソースコードにしても、実際に実装されていたものであるかは、ユーザー側には確かめようがないのです。

本当のところがどうであれ、ユーザーの不信感は残ります。運営側もそれを分かっているからこそ、大盤振る舞いとも言える補填を打ち出したのでしょう。つまり、疑っているのは分かっているが、ただで遊ばせてあげるから今回はこれで勘弁してよ、というのが今の状態です。

今回のことに限らず、ソーシャルゲームでは問題が起こると、ガチャをプレイする為のアイテムを配布してお詫びとする方法が多くとられていました。ユーザーからは「詫び石」と呼ばれ、この詫び石を期待して不具合を歓迎するような声もあります。サーバートラブルなどでゲームがプレイできなかったことに対して、お詫びとしてアイテムをおまけすること全てが問題というわけではありません。

しかし、詫び石さえ配ればあらゆることがうやむやに済んでしまうのでしょうか?今回のような運営の不正を強く疑いながら、最終的に「無料で遊ばせてあげるから」と言われてズルズルと見逃し、そしてまた課金をしていくような状態は、健全と言えるのでしょうか。

業界が健全化できてないツケ

スマートフォンで遊ぶユーザーの図

ぜひ、安心して楽しめるゲームだけを、遊ぶことをオススメします(イラスト 橋本モチチ)

ゲームのような娯楽を提供する立場で、しかも、何万、何十万というような高額な課金をするユーザーがいることを考えれば、強い疑惑をもたれて、信頼関係が失われた時点で、実際に不正が無くても、運営上のリスクを抱えていると言えます。

今回の件は、真実がどうであれ、ユーザーとの信頼関係が壊れていることのツケが回ってきて、起こったことではないでしょうか。そして、このツケは必ずしもドラゴンボールZ ドッカンバトルだけがためてきたものではなく、モバイル端末向けのソーシャルゲーム等で、ガチャを提供するゲーム業界全体のツケが回ってきたものです。

一方、ユーザーのみなさんにお伝えしたいのは、こういった信頼できないゲームを続けることについて考え直すべきではないか、という点です。当たり前の話だと思いますが、信頼できない相手とお金のやり取りをするべきではありません。それが何万、何十万となればなおさらです。

信頼足りうる相手であると思っているのであればよいですが、「怪しい」「おかしい」と思いながら、でもその時は詫び石をもらって、せっかくだからと続け、気がつけばまた何万とお金を出すというのは、大変な危うさを感じます。

ガイドは、運営を強く疑うような状態であれば、不正の真偽が明確に分からずとも、そのゲームを遊ぶことは決してオススメしません。安心して楽しく遊べるゲームは他にもたくさんありますし、別にユーザー側はゲームにこだわる必要もないのです。なにか怪しいと思えばさっさとやめて、他の楽しいことを見つけることを強くオススメします。進んで怪しいと思うものと関わり合いになることはありません。

そしてゲーム業界は、今回の件を、対岸の火事だとは決して思ってはいけません。ゲーム業界全体の信頼がおちていて、既にあちこちくすぶっているから、ちょっとしたことでも燃え上がるのです。

今回のドラゴンボールZ ドッカンバトルに不正がなかったのであれば、事態はなお深刻に捉えるべきで、ちょっとしたミスや不具合でも燃え上がるほどに、ゲーム業界の信頼は失墜しています。このまま業界全体が燃えるまで続けるのか、よくよく考える必要があるように思います。

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ニンテンドースイッチ携帯機か据え置き機か問題

今、もう1回考えてみる

ニンテンドースイッチの図

大変な品薄で、まだまだ抽選販売が続いています

品薄品薄と言われるニンテンドースイッチ。いつこの品薄は解消されるのかと言われるまま、とうとう夏が過ぎ、秋も深まってきてしまいました。任天堂は出荷台数を増やしていくと宣言をし、確かに増えてもいますが、劇的に増やすとまではいかず、品薄解消には至っていません。ゲーム業界ニュースでは、秋ごろまで品薄が解消されなければ、年末年始商戦も品薄が続き、解消は翌年に持ち越されるという可能性が高いというお話を以前しております。子ども達のクリスマスにニンテンドースイッチをとお思いの親御さんは、ぜひ、今のうちに各店舗の抽選販売に参加することをオススメします。クリスマスが近づけば出荷も増えていきますが、それ以上に競争が激化することが予想されます。

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さて、そんな人気のニンテンドースイッチなんですが、その今後について考える時に、1つ大きな問題があります。それは、ニンテンドースイッチが据え置きゲーム機か、携帯ゲーム機か、という話です。ゲーム業界ニュースでは、発表された直後に、そのコンセプトについて携帯できる据え置きゲーム機である、というお話をしました。

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上記の記事では、携帯できる据え置きゲーム機というコンセプトを解説しましたが、実際に発売され、タイトルも出てきた今、もう一度この点について考えてみたいと思います。

ハードはのコンセプトは携帯できる据え置きゲーム機

ニンテンドースイッチの図

スーパーマリオオデッセイでは携帯モードでも遊べますが、左右のJoy-Con両手に片方ずつ持つスタイルが推奨されています。

ニンテンドースイッチのコンセプトは、携帯できる据え置きゲーム機であるという点については、上記の記事から変わりありません。比較対象として、ニンテンドー3DS(以下3DS)は、当たり前のことですが、完全に携帯機としてデザインされていて、持ち運びやすいサイズ感、バッテーリの持ち時間、すれ違い通信やゲームコインなどの持ち遊ぶことで実現する遊びなどが考えられていました。

対してニンテンドースイッチは、持ち運ぶにはやや大きく、バッテリーの持ち時間も短め、すれ違い通信やゲームコインなどの持ち運ぶことで広がる遊びは搭載されていません。もちろん、ガイド自身もそうなんですが、これをどこにでも持ち運んで遊ぶゲーマーはいるでしょう。また、子ども達は少々大きいことなんて気にしないかもしれません。一方で、誰もが気軽に持ち運ぶような設計になっていないことは明らかです。

2017年10月27日に任天堂から発売された「スーパーマリオ オデッセイ」は、間違いなくニンテンドースイッチを代表するタイトルの1つとなる戦略的タイトルですが、これにはコントローラーを振って遊ぶモーション操作が搭載されています。モーション操作は携帯モードでも可能ではありますが、相性があまりよくありません。ここでもやはり、携帯できる据え置き機、というハ―ドのコンセプトが現れていると考えられます。

ユーザーにとっては、便利なハード

ニンテンドースイッチの図

テーブルモードで、テレビを使わず2人で対戦できるのも、ご家庭で遊ぶのにはとても便利です

では、ユーザーはどうやってこれを遊ぶのでしょうか。購入したユーザーは、これは据え置きゲーム機なのか、それとも携帯ゲーム機なのか、なんてことをイチイチこむずかしく考える必要はありません。カバンにいれたらちょっとかさばると思えば持ち運ばないかもしれませんし、他の家族がテレビを見ている時も携帯モードで遊べればこれは便利、と思うでしょう。

おそらく現状では、持ち運ぶ、持ち運べない、ということ自体はそれほどユーザーにとって重要ではなく、ただ、気軽に遊べるハードであるということが重宝されているように思われます。スリープモードからあっという間に復帰してゲームが始められ、テレビでも遊べるし、ベッドの上で寝っ転がって遊んでもいいし、2人プレイを遊びたいと思ってもコントローラーを買い足す必要がない、非常に便利なハードである、と思われます。

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現代において、これだけスマートフォンとその周辺が発達すると、外出先でのちょっとした時間の暇つぶしというものに困ることはあり得なくなってしまいました。それは、ゲームアプリ市場が非常に活況であるというだけでなく、ニュースやブログ、動画に音楽、電子書籍に至るまで、ありとあらゆる暇つぶしはスマートフォンの中に詰まっています。逆に言うと、ゲーム機の携帯性に関してそこまでの要求は無いのかもしれません。一方で、ゲーマーであるとか、子ども達であるとか、ゲームを遊ぶ強い動機のある人は、少々のことは気にせず持ち運んで遊ぶのです。

ゲーム機に求められるもの

スーパーマリオ オデッセイの図

まさしく、圧倒的ゲーム体験をたずさえて発売した、スーパーマリオ オデッセイ

上記を踏まえて考えると、今、ゲーム機に何を求められているか、ということが少し分かってくるように思います。かつては、暇つぶしの道具としての一面を確実に持っていたゲーム機ですが、いまやその側面はかなりスマートフォンに取られてしまっています。専用ゲーム機で遊ぶのは、専用ゲーム機でしかできない体験がそこにあるからでしょう。

発売と同時に「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」が登場、世界中のゲームユーザーを夢中にさせました。夏には「スプラトゥーン2」を発売し、しばらくはニンテンドースイッチ本体の販売台数とスプラトゥーン2の販売本数がほとんど同じ、というぐらい、ニンテンドースイッチユーザーの多くの人が遊んでいます。そして、任天堂の看板タイトルであるマリオ最新作「スーパーマリオ オデッセイ」が登場しました。ガイドも今遊んでいますが、これがまた大変な高評価を得ています。

まさしく、暇つぶしではない、わざわざ時間を作って遊びたくなるような圧倒的ゲーム体験と、ユーザーにとって便利で使い勝手のいい手軽なハードが、その魅力となっています。

携帯ゲーム機と据え置きゲーム機という考え方

2017年のゲーム業界は、これは珍しい傾向なんですが、PlayStation4(以下PS4)とニンテンドースイッチの、据え置きゲーム機2台がとても勢いを持っています。これは、ニンテンドースイッチの登場によって、据え置きゲーム機、携帯ゲーム機という区別の仕方が陳腐化してきているのかもしれません。

据え置きゲーム機2台というよりは、手軽なゲーム機であるニンテンドースイッチと、よりハイエンドなPS4という2つのゲーム機が両立していると考えると、現在の状況はそれほど不自然ではありません。そして両方のハードが、ゲーム専用機ならではの強力なゲーム体験を武器に、ユーザーを集めています。

今後、実際的な問題として、3DSを統合していくのか、というのは大きなポイントになります。任天堂の据え置きハードは、Wii、Wii Uともに、ソフトの少なさで勢いが出せなくなった経験を持っています。もし、3DSのタイトルとユーザーを統合するとなれば、ニンテンドースイッチは有力タイトルとかなり大きな市場を獲得することになるからです。

3DSの発売日は2011年2月26日。もうすぐ丸6年を迎え、ハードのサイクルとしてはかなり終わりに近いはずです。2017年は「ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン」でもうひと盛り上がりすることでしょう。しかし、2018年はどうなるのでしょうか? もし任天堂が携帯性に特化した3DSの後継機を発売するのであれば、もういつ発表してもおかしくないタイミングです。

逆に、3DSの後継機が発売されないのであれば、3DSの人気タイトルの行方が気になります。ポケットモンスターシリーズの最新作はどうなるのでしょう? 2017年10月8日に3DS用タイトルとしてアトラスから「真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY」が発売されましたが、真・女神転生最新作となる「真・女神転生V」はニンテンドースイッチから発売されることが発表されているのは、中々興味深いかもしれません。

ニンテンドースイッチは携帯ゲーム機か、据え置きゲーム機かというと、ニンテンドースイッチの登場によってその区別自体が陳腐化して、どちらであるかは意味を持たなくなっている、と言えるかもしれません。求められているのは専用機ならではの圧倒的ゲーム体験であり、ニンテンドースイッチは、そのゲーム体験と手軽さで人気を得ている、そう言えるのではないでしょうか。そして今後、ニンテンドー3DSの後継機が発表されるのか、それともニンテンドースイッチが統合するのかというのが、さらに大きく影響していくことになりそうです。

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【ネタバレ】ドラクエ11と自分だけの物語

ハマれなかったはずなのに

ドラクエの図

ニンテンドー3DSとPlayStation4で発売され、今後ニンテンドースイッチ版も予定されています。ちなみにガイドはニンテンドー3DS版を遊んでいました

正直に言うと、ガイドはあまり「ドラゴンクエストXI」にはハマれていませんでした。スクウェア・エニックスからPlayStation4とニンテンドー3DS用タイトルとして発売している大人気RPGシリーズドラゴンクエスト最新作、ドラゴンクエストXI(以下ドラクエ11)。2機種合計の販売本数は300万本を超え、評判も非常によく、ガイドの周りでも多くの人がはまっていました。しかし、ガイドはどうにもうまくハマれていませんでした。

ゲームというのは、作品とプレイヤーお互いに響きあって初めて素晴らしい体験が生まれます。多くの人が楽しめた作品だからといって、それが全員にとって素晴らしい体験を必ずもたらすと保証するものではありません。もう何十年もゲームを遊んでいますと、みんな面白いと言ってるのに自分はうまくハマれなかったというゲームに出会うことがいくつもあります。そういう時、ガイドは基本的にそのゲームについてインターネットで何かお話することはありません。こういう人は楽しめて、こういう人にはオススメでない、という情報であれば書くこともありますが、みんなが楽しめている時に、単に自分ばかりが楽しめなかった話をして水を差す必要はないからです。

しかしそれでもドラクエ11というビッグタイトル。クリアはしておくべきだと思って、半ば義務感で最後まで遊びました。しかし、その後ガイドの中での評価は激変します。クリア後、その物語に引き込まれるように止められなくなり、そしてついにはいわゆる裏ボスへとたどり着きます。そこでガイドは、これまでの初代から全て遊んできたドラクエ体験の中でも格別のプレイを味わうことになります。

この記事は、ドラクエ11がガイドに体験させてくれた最高のドラマを、ドラマが伝えるゲームというものの醍醐味を、是非多くの人に伝えたくて、書いたものです。ドラクエ11の重要なネタバレが非常に多く含まれる記事になりますので、それをご了承しただいた方のみ、お読みいただければと思います。また、基本的にドラクエ11を遊んでいる人に向けて、基本的なことはご存知であることを前提に書いておりますことも、ご了承いただければと思います。

壮大な前置き

PS4の図

ガイドは3DS版でしたが、進めていくとPS4版の豪華な画面で見てみたいと思うこともたくさんありました

ガイドはドラクエ11にあまりハマれてはいませんでしたが、それでもパーティーの中で、魔法使いの少女ベロニカがとてもお気に入りで、ベロニカと戦うことを大きな楽しみにゲームを進めていました。しかし、ご存知の通りベロニカはストーリーの途中で亡くなり、その能力は双子の妹であるセーニャに引き継がれます。

ゲームを遊ぶモチベーションを大きく失いながらも、なんとかクリア、そしてクリアしたらもうやめようと思っていたわけですが、クリアデータでちょっとだけ遊んでみると、非常に気にかかることを言われます。ベロニカを復活させる方法があるらしい。世界が崩壊する前にタイムトラベルし、本当の平和を手に入れろと、そういわれるわけです。

ガイドはこれまでのドラクエも、クリアはしてもその後の裏ボスを倒すまで遊びこんではいませんでした。しかし、このストーリー展開で遊ぶのをやめられるゲーマーがどれほどいるでしょうか。むしろガイドが遊んできたそこまでの60時間は壮大な前置きのようにすら感じられます。

ガイドは時間をさかのぼり、ベロニカを救い、そして真の平和を取り戻すべく、「邪神ニズゼルファ」に挑むことを決心します。

油断が生んだ絶体絶命

ドラクエ11の図

ベロニカも助け、レベルもあげ、余裕で倒せると思っていたのが間違いでした…

ドラマが起こったきっかけは、決して熟慮を重ねた深遠なるプレイによるものではありませんでした。むしろその逆、油断と慢心による適当なプレイがドラマの始まりでした。ベロニカを救うことに成功したガイドは、クリアまでとは違う時間軸のパラレルワールドを満喫し、いつしか勇者のレベルを85まで上げ、概ねの有用なスキルは手に入れ、歩けばほとんどのモンスターが逃げ出すような状態になっていました。

おそらくニズゼルファも楽勝だろう、そう思って、ろくに準備もせず、なんなら周りの人の話も適当に流して挑んだのが間違いでした。ガイドがニズゼルファと戦って最初に思ったのは「硬い」ということでした。敵の攻撃は凌げるんですが、とにかくこちらの攻撃が通りません。ニズゼルファは本体の他に右手と左手が別々に体力を持ち、攻撃してきますが、片手を倒すことすら全くできる気配がありません。

最初にマズイと思ったのは、セーニャのMPがつきた時でした。他のキャラクターは全て「めいれいさせろ」を使い、自分で操作していましたが、セーニャだけは「いのちだいじに」にして、状況に応じて勝手に回復してくれるようにしていました。しかし、そうするとセーニャはベホマズンを連発し、MPをどんどん消費していきます。それでも、MPが尽きる前に簡単に勝てると踏んでいたのですが、こちらの攻撃が全く通じないことで計算が狂ってしまったのです。

回復の要であるセーニャのMPがつきると、情勢はどんどん悪くなります。カミュが倒れ、ベロニカも逝き、ツッコミで状態以上を治すシルビアがやられればもう後は悪くなる一方です。それから少しすると、ガイドのパーティーは勇者1人になっていました。

ひかりのたま

ドラクエ3の図

ドラクエ3を夢中になって遊んだあの日々の記憶が蘇ります

勇者1人になって、これはもうやり直しだなとあきらめかけていた時、あるメッセージが気になりました。「邪神ニズゼルファは 闇のころもを まとっている!」。実は戦闘中、何度も見かけているメッセージなのですが、なんとなく無視していました。しかし、よく考えれば無意味なメッセージであるわけもありません。闇の衣…闇の衣…やみのころも…やみのころも? やみのころも!! やみのころもじゃねーか! その時初めてガイドの脳みそが、30年近い時間をさかのぼり、過ぎ去りし時を求めて、小学生の頃の、ドラクエ3を遊んでいた自分と繋がりました! そう、やみのころもと言えばドラクエ3のラスボス、ゾーマがその身にまとい、勇者たちの攻撃を退けていたバリアのような存在です。

闇の衣をまとっているんだとしたら、攻撃は通らなくて当たり前。闇の衣を払うには…「ひかりのたま」だ! しかしひかりのたまなんてアイテムは持っていません、流石にひかりのたまを持っていれば、闇の衣を払うことにも気がついたことでしょう。何かないものかと勇者のアイテムを探ってみると、そこでようやく気がつきました。「勇者のつるぎ・真」のアイテム説明に、「闇の衣を打ち払う 起死回生の聖剣」と書いてあるではありませんか。

試しに勇者の剣を掲げてみると、見事闇の衣を打ち払います。まさしく聖剣…ではありましたが、起死回生となるかは非常に微妙でした。なぜなら戦場には仲間たちの死体が横たわり、こちらの戦力は勇者ただ1人しかいなかったからです。

勇者の盾

グレイグの図

ガイドの頭の中には、笑顔で散っていくグレイグの姿が…

ガイドが真っ先におもいついたのは、セーニャを復活させることでした。ドラクエ11の冒険ではそれまで1度も使ったことがありませんでしたが、ドラクエには自分の命と引き換えに全ての仲間を救う「メガザル」という呪文があります。幸いにも、勇者はザオリクが使えます。セーニャを復活させ、なおかつメガザルを唱えられれば、まだ勝機はあるはずです。

勇者はなんとかセーニャを復活。その間に今度は勇者がニズゼルファによって倒されてしまいます。希望の光となるはずのセーニャ、しかしガイドは再び絶望の淵に立たされます。そこに現れたメッセージは「MPが たりない!」でした。そう、序盤に油断してベホマズンを連続使用させていたセーニャは、メガザルを覚えてはいたものの、それを唱えるだけのMPを残していなかったのです。

もし勝つすべがあるとしたら、ニズゼルファの猛攻に耐えつつ、1人1人復活させるしかありません。MPがないセーニャの道具をあさると、仲間を復活させることができる「せかいじゅのは」がありました。誰か復活させてもセーニャはもう回復呪文は使えません。生き返ってもまたすぐに死んでいくだけかもしれません。祈るような思いで、一番耐久力があり、なおかつザオリクの使えるグレイグを復活させます。しかし、その過程でやはり、今度はセーニャが倒れます。

あきらめかけながらも、グレイグの呪文ウィンドを開くと、そこには予想もしていなかった呪文が乗っていました。「メガザル」です。そう、ガイドは覚えたことなどすっかり忘れていましたが、数少ない呪文の中に、グレイグらしいと言えば本当にグレイグらしい、自己犠牲呪文、メガザルが入っていたのです。

そして、さすがは耐久力のあるグレイグ、ニズゼルファの攻撃で沈むことなく、メガザルを唱えます。それはまさしく起死回生。もちろんその時、そんな演出はありませんが、ガイドの頭の中でははっきりと声が聞こえました。光に包まれたグレイグがこちらを振り向き、「今度こそ、最後まで勇者の盾になる」と誇らしげに言うその声が。

自分の物語

プレイヤーの図

ゲームの物語は、プレイヤーの心の中に生まれるのです(イラスト 橋本モチチ)

全てのMPと、その命を散らしてグレイグが倒れます。引き換えにカミュが、マルティナが、ロウが、シルビアが、セーニャが、ベロニカが、そして勇者が再び蘇ります。その瞬間から、この戦いは絶対に負けられないものとなりました。負けても教会に戻ってやり直せる、セーブしたところから始めればいい、そういう性質のものではなくなったのです。今この時だけしか存在しない、今この瞬間、散っていったグレイグの心に答える物語が始まっているのです。

。MPが無くなったセーニャの代わりにロウが回復役を引き受けます。勇者のギガブレイク、ベロニカのイオグランデ、さらにはマダンテで全体を攻撃、ようやくこちらの攻撃が通ります。マルティナはデビルモードから爆裂脚、最後はシルビアのバイキルトで援護を受けたカミュが分身、そして二刀流の心眼一閃が2,000以上のダメージをたたき出し、邪神ニズゼルファを沈めます。

ニズゼルファを打倒した時、ガイドは心からドラクエ11を最後まで遊んでよかったと思いました。ゲームにはこういうことがあるんです。ドラクエ11を何十時間もあり、幾重にも折り重なった物語があってこそのドラマでした。

気がつけばプレイ時間は80時間を超え、ガイドは冒険を終えることとなりました。しかし、その終わりは、ガイドが想像していたものとは全く違う形になっていました。なんとなく義務感で進めていたはずの冒険は、いつしか仲間との別れが名残惜しく感じられる、自分だけの物語になっていました。

冒頭、お話したように、ゲームというのは、作品とプレイヤーがお互いに響きあって初めて、素晴らしい体験が生まれます。時には、うまくいかなくて、そのポテンシャルが発揮されないこともあるでしょう。でもある瞬間、奇跡のような物語が生まれることもあるのです。それこそ、ゲームが持つ大きな大きな可能性であるように思うのです。

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大逆転裁判の前編だけ遊んで、後半を遊んでいない人へ

大傑作の大逆転裁判2

ニンテンドー3DSの図

大逆転裁判2はニンテンドー3DSで遊べます

時は明治、場所はロンドン、現れるはシャーロック・ホームズ。カプコンのニンテンドー3DS向け推理アドベンチャー「大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-」。これが、逆転裁判シリーズの中でも屈指の大傑作と呼べる作品で、非常に評価が高いんですが、その初週売上は約7万本でした。ちなみに、前作の「大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險」が初週約13万本、「逆転裁判6」が初週約20万本。その後も、大きく販売本数を伸ばすことはなく、非常に厳しい状況となっています。

その背景には、ビッグタイトルである『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』と発売日が非常に近かったことが1つ挙げられますが、理由はどうもそれだけではなさそうです。そしてもったいない。何故なら、重ねて申し上げますが、大逆転裁判2は多くの人が絶賛する大傑作であるからです。

あまりにもったいないので、販売が上手くいっていない理由とともに、ネタバレの無い範囲で、大逆転裁判2の魅力についてお伝えしたいと思います。逆転裁判が好きなみなさま、これは遊んでおいて損のない傑作です。前作を遊んだ人は絶対に遊んだ方がいいです、そもそも大逆転裁判を遊んでいない方は、2作続けて遊ぶのがオススメです。

不評だった前作の呪い

ヘッドホンの図

イヤホンやヘッドホンでのプレイがかなりオススメです。メチャクチャに盛り上がります

大逆転裁判2の魅力をお伝えするには、最初に、マイナスの話をしなければいけません。というのも、前作の大逆転裁判は、かなり不評だった作品だからです。なぜ不評だったか、それは作品が完結してなかったことが非常に大きいでしょう。

ガイドの個人的な話をさせていただくと、ガイドはゲームに対して、気に入らないところがあったらマイナスしていく減点方式ではなく、面白いと感じるところがあればそこを楽しんでプレイする加点方式で遊んでいます。そういったガイドからすると、前作の大逆転裁判も決して駄作ではなく、逆転裁判の面白さが詰まった作品でした。ホームズの迷推理とドタバタに巻き込まれ、パートナーの法務助士スサトさんは優しくて頼りになり、そして次々と出てくる面白登場人物達。

また、音楽について是非お伝えしておきたいんですが、逆転裁判シリーズの音楽と言えば「異議あり!」を合図にかかる追求の音楽です。大逆転裁判は追求の音楽はもちろん素晴らしいんですが、その前段階、疑惑が生じ、謎が深まる時にかかるBGMがもう鳥肌ものなんですね。つまり、何か疑惑が生じたり、謎が出てくるたび、鳥肌が立つことになります。明治時代、そしてロンドンが舞台ということで、ホームズが愛したバイオリンの音色が響き、逆転裁判らしさを保ちつつ、レトロな雰囲気を醸し出します。思わずテキストを送る指を止めて聴き入ってしまうこともあるほどです。

もちろん、逆転裁判シリーズですから、次々に起こる事件、頭を悩ませ推理し、証拠品をつきつけて逆転していく爽快感も健在です。ですが一方で、この作品を消化不良と感じる人がいることも、確かに理解できます。様々な謎や伏線が残されたまま物語は終わりを迎え、エンディングでは「え、これで終わり?」と思った人もいたことでしょう。時としてシリーズものの売上というものは、作品そのものの評価以上に、前作の評判に左右されることがあります。なぜならユーザーは、前作が面白かったから買おう、前作の評判が良かったから買おう、そう考えるからです。初代大逆転裁判評価が低かったことは、大逆転裁判2の売上の足を大きくひっぱっていると考えられます。

しかし、初代大逆転裁判は、本当の意味で駄作ではありませんでした。これは、助走だったんです。

不評を傑作に大逆転

大逆転裁判の図

主人公は成歩堂龍一…のご先祖様の成歩堂龍之介

大逆転裁判2を絶賛している人達の多くは、前作の大逆転裁判を振り返ります。そして、初代大逆転裁判があってこその、大逆転裁判2であり、大逆転裁判2によって、評価は大逆転し、大傑作へとなったことを認めています。

詳細はお伝えできません。全てネタバレになってしまうからです。しかし、それはまさしく大逆転に次ぐ大逆転の連続でした。大逆転裁判2で次々に起こる事件は、その全てが初代からの繋がりを持ち、少しずつ、少しずつ、大きな謎に迫り、そして後半にはとうとうその謎が次々に明かされていきます。しかし、謎は明かされれば明かされる程、さらに深まり、深まった謎がまた大逆転を起こすのです。

それを前作同様に明治時代、ロンドンという舞台設定、そして初代で既に素晴らしかった音楽は恐ろしいことに大逆転裁判2でさらにさらにさらに素晴らしい楽曲が加わって鳥肌が収まることを許さず、そこに逆転裁判シリーズ生みの親である巧舟の真骨頂ともいえる奇妙奇天烈な登場人物達達が彩ります。

後半になると、進めるのがもったいない、終わらせるのがもったいない、でも物語の続きが気になって気になってやめられない、という自己矛盾を起こしながらずっとニンテンドー3DSを握りしめることになります。

推理小説の前編だけ読んで、後半を読んでいないあなた

ゲーム雑誌の図

発売前のゲーム情報をどう伝えるかで、ユーザーの感じ方も大きく変わります(イラスト 橋本モチチ)

初代大逆転裁判は、大逆転裁判前編とでも言うべき内容でした。そうすれば、残された謎も、完結しない終わり方も、後編への期待に変換できたことでしょう。しかし、実際には、大逆転裁判それ単体で終わると思ってプレイしたユーザーは、大いに消化不良に陥り、それが不評へと繋がっていきました。それはあまりにもったいないことです。

実は、このようなもったいない売り方を、逆転裁判シリーズは、「逆転裁判6」でも行っています。逆転裁判6も非常に面白い作品でしたが、売る時に、ゲームの物語上はゲスト的に登場する成歩堂龍一と綾里真宵をプッシュすることで、それを信じたユーザーから反感を買っています。逆転裁判シリーズの最初から登場している2人の人気キャラクターでユーザーを釣りあげるような販売戦略は、ゲームの中身を楽しませることを阻害し、余計な批判を買ってしまいます。

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今回も、本来であれば前作の大逆転裁判を大逆転裁判前編、そして大逆転裁判2を大逆転裁判後編とし、逆転裁判の生みの親である巧舟が全編後編で完結する大長編の逆転裁判、その名も大逆転裁判を発売します、と最初から大いに謳うべきでした。なんなら、誤解の無いようにパッケージにでも書いておくべきでしょう。もちろん、売る方からすれば完結していないものを売ると言うことで怖さもあるはずです。しかし、そこは作品とユーザーを信じて売るしかありません。でなければそもそも、2作で完結するようなゲームを発売するべきではないのですから。

大逆転裁判2の販売本数から考えて、初代だけ遊んで、おそらく不満を持ち、大逆転裁判2を見送っている人が相当数いるはずです。なんともったいないことでしょう。言うならば、推理小説の前編だけ読んで、怒涛の謎解きが待っている後編を読んでいないのと同じことなのです。しかもその推理小説は人気シリーズの中でも屈指とされるほどの大傑作なのです! こんなもったいないことがありますか! どうですか!

また、初代逆転裁判を遊んでいない人にも、是非大逆転裁判を1、2と続けて遊ぶことを強くオススメします。次々に事件を逆転しながら、物語を大逆転させる大傑作を、ぜひ体験してください。

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人狼ゲームを攻略するコツ!バレない嘘のつき方上級編

村を滅ぼす嘘をつこう!

さあ、騙し合いのゲーム「人狼」で上手に嘘をつくための嘘つき講座、前回(人狼の失敗しない嘘のつき方 初級編)は初級編ということで、ここを押さえておけば失敗しにくいという基本についてお話しました。今回は上級編。これが決まれば村が滅びるという、嘘の具体的なテクニックとそのロジックについて、いくつかご紹介したいと思います。

ただ嘘をつくだけじゃなく、人狼陣営勝利の為に狙ってつく嘘をご紹介します

ただ嘘をつくだけじゃなく、人狼陣営勝利の為に狙ってつく嘘をご紹介します

人狼や狂人をひいた時に試していただきたいのはもちろんのこと、人狼陣営のテクニックを知っていれば、村人になった時も推理がしやすくなりますから、ぜひ参考にしてみてください。

今回も、インターネット上の掲示板やチャットなどを利用して行うWebの人狼ではなく、実際に集まって行うリアルの人狼を想定したものです。また、人狼には様々なルールがありますので、便宜上、12人で遊ぶルールを設定してお話を進めます。

12人の役職は以下の通りで、初級編と同じです。

  • 毎晩1人を指定して、人狼か村人か知ることができる占い師が1人
  • 毎晩その日の昼間に、処刑した人が人狼か村人かを知ることができる霊媒師が1人
  • 毎晩1人を指定して、人狼から守ることができるボディガードが1人
  • 人狼が誰かも知らないし、何の能力もない村人だけど、人狼が勝利したときに自身も勝利となる狂人が1人
  • 毎晩1人を指定して、村人を襲う人狼が3匹
  • 村人が5人

※ボディガードは連続して同じ人を守ることができず、それぞれの役職は死んでも明かされることがありません。

また、今回も説明をややこしくしないために、狂人や人狼以外の本物の役職者やただの村人は嘘をつかないものとして、話を進めます。

村を滅ぼすタイミング

人狼や狂人が、占い師や霊媒師などの役職のふりをして嘘をつく時、とても難しいのは、誰かを「村人です」というタイミングよりも、「人狼です」というタイミングでしょう。一度誰かを「人狼です」と言えば、その人が生きていれば当然猛烈な反発をくらいますし、また、他の村人からもその真偽が強く追求されます。よしんば村人の処刑まで持ち込んだとして、霊媒師が生き残っていれば当然翌日嘘がバラされてしまいます。

じゃあ例えば今回のルールにおいて、あなたが人狼だったとして、人狼陣営3匹全員が処刑されずにパーフェクトの勝利を収める為に、占い師のふりをし、善良な村人を指して「この人が人狼です!」と言うタイミングは、いつが良いでしょうか?

これはもちろん絶対ということは無いのですが、非常に多くの場合チャンスなのは3日目です。理由を説明しましょう。

今回のルールでは村全員の人数が12人、うち3匹が人狼です。村のメンバーは1日2人ずつ減っていきます、昼の処刑と夜の襲撃ですね。そうすると、3日目が終わって4日目の朝を迎える時、ボディガードが人狼の襲撃を防いでいない限りは、それまでの3日間で6人が命を落として、6人が残っています。この時、人狼3匹が全員生き残っていると、人狼3匹と村人3人、人狼と村人の数が同じということで人狼側の勝利となってゲームが終了してしまいます。

ですから、村人側は遡って3日目の夜が訪れる前に、人狼を1匹は処刑しておかなければいけないということになります。人狼からすると、3日目の昼を乗り切ってしまえば、あとは嘘がバレるかどうか心配する必要すらないのです。

ここで人狼を処刑しないと村が滅ぶというタイミングが存在します

ここで人狼を処刑しないと村が滅ぶというタイミングが存在します

村人の数と人狼の数は常に変化していきますから、人狼が生き残っていれば何度か、今日当てなければ村が滅びるというタイミングは訪れることがあります。そしてその日を確実な情報として知っているのは、人狼と霊媒師だけです。これを利用しない手はありません。色んな嘘のつき方がありますが、いつ村を滅ぼせるか常に把握しておくというのは、とても大切なポイントです。

2匹目の人狼と霊媒師

あなたが嘘をついて霊媒師を名乗り出る場合に、気をつけるべきことは何でしょうか。

2匹目の人狼が処刑されたと宣言する場合は、よく状況を考えて行う必要があります

2匹目の人狼が処刑されたと宣言する場合は、よく状況を考えて行う必要があります

よくよく考えなければいけないのは、2匹目の人狼が処刑されたことを告げるタイミングです。なぜなら、あなたが少しでも疑われていると「昨日処刑したのは人狼で、これで2匹の人狼が処刑されたことになります」と言ったとたん、その日あなたが処刑される可能性がぐっと高くなるからです。

あなたが「2匹の人狼が処刑された」と言ったときに、村人からすると、あなたが本物であったとしても、一応処刑しておこうかというという選択肢が生まれます。もし、あなたが本物の霊媒師だとしたら、人狼はあと1匹ですから、間違って村人を1人ぐらい処刑してしまってもたいしたことはありません。

また、人狼が2匹処刑されたと宣言した瞬間に、その霊媒師の役割は必要なくなります。次の1匹を処刑したら霊媒結果を知るまでもなく村人の勝利でゲームが終了するからです。

しかし、あなたが偽物で、霊媒結果もデタラメだったとしたら、これは村人にとって由々しき問題です。人狼は残り2匹、もしかすると3匹いるかもしれません。そしてそのうち1匹は嘘を付いている張本人の可能性があるのです。

霊媒師が本物であっても用済みでリスクは低く、人狼が嘘をついている場合にはピンチを脱出できるということで、2匹目の人狼が処刑されたことを告げた霊媒師は処刑されやすくなります。

狂人による霊媒トラップ

さて、上記の心理を利用して、あなたが狂人だった場合に、さらなるトラップを仕掛けることができます。例えば、あなたが狂人の時に、2日目に登場して「私は霊媒師です。昨日処刑した人は人狼でした」と宣言します。続いて3日目も「昨日処刑した人も人狼で、これで2匹処刑できました」と宣言します。

多くの場合、ここまでに本物の霊媒師が登場して、あなたの嘘を正してくるでしょう。「あの人は嘘をついています、私が本物の霊媒師で人狼はまだ3匹とも処刑されていません」なんて言ってくれればチャンス到来。

村人の中に、あなたが人狼だった場合のリスクに気づく人がいれば、魚が針に食いついたも同然です。そしてここからが腕の見せ所となります。あなたは「自分は本物だから殺さないでくれ」と周りにお願いするといいでしょう。周りの人が論理的に考えてくれれば、本物なら本物で処刑してもリスクはないということになって、あなたの意見は却下されます。見事村人があなたを処刑してくれればトラップ完成です。

うまいことみんなから処刑されれば、狂人のトラップは大成功となります

うまいことみんなから処刑されれば、狂人のトラップは大成功となります

今回の設定ルールにおいて、本物の霊媒師が言うとおり人狼が3匹とも生きていて、3日目に狂人を処刑してしまうと、ボディガードが人狼の襲撃を阻止するようなことが無い限り、4日目の朝は人狼3匹と村人3人となって、人狼側が勝利します。霊媒師を偽装した人狼のふりをした狂人による霊媒トラップ成功、というわけです。

このとき、人狼は霊媒師が嘘の霊媒結果を言った時点で、狂人による偽物と分かりますから、占い師のふりをして登場し、3日目に「あの霊媒師を占ったけど人狼だった」と宣言して狂人が処刑される流れに加担すると、さらに成功率があがります。村人側があなたを処刑するにあたって唯一の懸念は、霊媒師が嘘を言っていて、なおかつ狂人であり、さらに人狼は1匹も処刑できていない、というパターンですから、人狼はそこを潰すように行動する、ということですね。

人狼と狂人の違い

今度は逆に、人狼が狂人のふりをするトラップをご紹介しましょう。占い師を偽装した狂人のふりをした人狼、という罠です。

狂人のふりをするにはどうしたらよいでしょうか。人狼と狂人の違いは、人狼はなんとしても生き残ろうとし、狂人はなんなら処刑されてもいいと考えている点です。また、人狼は誰が人狼か知っていますから、自分のついた嘘が霊媒師によってバレるかどうかも、あらかじめ分かっています。

人狼と狂人では嘘をつくにしても傾向が違うのです

人狼と狂人では嘘をつくにしても傾向が違うのです

よって、人狼は村人から簡単には疑われないように精巧でバレにくい嘘をつく場合が多いです。一方、狂人はいい加減な嘘をつきます。そもそも、誰が人狼か知りませんから、精巧な嘘はつけないのです。これは嘘をついているのが人狼か狂人なのかを見破る時の基本的な考え方なんですが、その基本的な考え方を逆に利用します。

人狼と狂人による霊媒師殺害トラップ

例えば、あなたが人狼の場合に、2日目に占い師だと言って登場し、村人を1人指名して「あいつが人狼だ」と宣言します。指名した人が何かの役職を持っていなければ、処刑してみて次の日の霊媒結果で判断しようとなるでしょう。そして翌日、霊媒師が登場し、あなたの占いが間違っていたことを指摘するはずです。

この一連の流れからすると、あなたは村人にとって、非常に狂人っぽく見えます。翌日すぐにバレると分かっている嘘をついて、なんなら3日目に自分が処刑されることで、人狼を勝利に導こうという見え見えの作戦です。あなたが普段、人狼のときに精巧な嘘をついていればいるほど、このトラップは効果を発揮します。

あきらかに怪しい方が処刑できない、という場面もあるのです

あきらかに怪しい方が処刑できない、という場面もあるのです

そして、あなたが狂人濃厚と判断されると、3日目、村人はあなたを処刑することがどうしてもできなくなります。3日目は何度も言うように最低1匹は人狼を処刑しなければ村が滅ぶタイミングですから、霊媒師の霊媒結果などによって、人狼を処刑できているという確信がない限り、狂人と思しき人物を処刑するわけにはいかないのです。

このとき、本物の霊媒師と共に本物の占い師も生きていれば、名乗り出ているでしょう。何しろ、ここで人狼を当てなければ負けるかもしれないというタイミングです。場には、本物の占い師、占い師のふりをしたあなた、そして、本物の霊媒師がいるはずです。そこでもし、本物の占い師が人狼を占うことができていなかった場合、狂人が霊媒師として登場することで、人狼を勝利に導くことができます。

なぜなら、占い師が1人本物で、もう1人の偽物占い師はいかにも狂人っぽいとなれば、2人出ている霊媒師は、片方が本物で、片方が人狼であるというロジックが成立するからです。ここで当てなければ村が滅ぶというタイミング、2分の1で人狼を処刑できそうだとなれば、かなり村人有利な賭けに思えます。しかし実際にはそこに人狼はいないのです。

これにひっかかると、どちらを処刑するか散々悩んだ挙句、本物を処刑しても偽物を処刑しても結局負けという結果に頭をかきむしることになります。

嘘をつく時は相手を見て

上級編のテクニック、いかがだったでしょうか。なるほど、と思った方はぜひ試してみてください。上級のテクニックはどれも自分の腕で勝利を掴み取るという嘘ですから、決まると本当に気持ちいいですよ。

ただ、1つだけ注意点があります。それは、嘘をつく相手です。初心者から脱出して嘘のプランを色々考え、人狼に挑んでみようとする人にありがちな失敗なんですが、いくら自分のプラン通りに嘘をついてみても、相手によっては全く通用しない場合があります。

人狼であるあなたが、すぐにバレる嘘をつくことで狂人っぽくみせたと思っていても、初心者は素直に「嘘をついているから人狼に違いない」と言ってあなたを処刑するかもしれないのです。

また、そもそもロジカルに物事を考えるよりも、自分の感覚を優先するような人もいます。こういったタイプの人には論理的な情報戦をしかけても、全然納得してもらえないなんていう場合が往々にしてあります。感情に訴えかける話し方で、共感を得ることの方が大事という場面だってあるのです。物事を論理的に組み立てて推理出来る人ほど、そこで失敗しやすくなるかもしれません。

この人なら論理的に嘘を見抜いてくれる、という人こそ騙しようもあるのです

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色んなテクニックもありつつ、最後は人間と人間のぶつかり合いであるというのが、また人狼の面白いところでもあります。ぜひ、色々試して、豊かな嘘つきライフを楽しんでみてください!

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