中国で「深夜食堂」ブーム 新しい日本食が広がる(日経トレンディネット)

不人気だったドラマ「深夜食堂」がブームに!?

 中国では知る人ぞ知るコンテンツだった「深夜食堂」がブームになっている。「深夜食堂」とは、安倍夜郎による人気コミックを原作としたドラマのことだ。深夜0時から朝の7時ごろまでしか営業しない食堂のマスターと客たちとの交流を描く作品で、2009年に日本でドラマ化され、その後、中国でもネット配信されて話題になった。

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 このドラマが今ごろになって再び注目を浴びたのは、今年6月にスタートした中国および台湾向けのリメーク作品「深夜食堂(華語版)」がきっかけ。鳴り物入りで登場したものの、中国にはない小料理屋風の店が舞台となっており、物語も日本の食文化をベースとしているため中国人には違和感がありすぎたようで、評価サイトでもまれに見る低評価作品となった。ところが逆にその“違和感”が面白いと注目され、ドラマの認知度が上がるという皮肉な結果につながったのだ。

 しかも、話はそれで終わらない。「ふりかけ(だけの)ご飯」や「一手間かけた即席麺」は中国ではあり得ないという多数派の意見をよそに、そういった食文化に興味を示す中国人も少なからずいて、「深夜食堂」のレシピを真面目に紹介するウェブサイトなどが人気に。さらに、書店では日本の大衆食堂を紹介するガイド本などをよく目にするようになり、「淘宝網」などのECサイトでは深夜食堂“非”公認スマホケースをはじめ、作中によく登場する卵焼き器などの調理器具や、かつお節などの日本の食材を取り扱う店が増えたのだ。

「深夜食堂」をモチーフにした実店舗も急増!

 検索サイトの「百度」や、口コミサイトの「大衆点評」や「美団」で「深夜食堂」を検索すると、「深夜食堂」をモチーフ、または店名そのものにした食堂が中国各地にあることが分かる。また、それらの多くが「日式」または「日本」とうたっていることから、日本料理を提供する店であることも推測できる。

 そうした店には、マンションの一室をカフェ兼食堂にしたところが多いのも特徴だ。マンションの一室を改装してカフェにしたり、カルチャースクールにしたり、民泊用にしたりといった動きは近年の中国におけるトレンドだが、「深夜食堂」をモチーフにした食堂もそれらの1つと言えるだろう。確かに、即席麺にちょっと調味料や食材を加えるだけ、ご飯にかつお節としょうゆを振りかけるだけでよいので「深夜食堂」風の店は手っ取り早い。

 とはいえ、ウェブサイトの紹介画像をチェックしてみた限りでは、店内に日本風の中古家具を置いて、そこに日本の書籍を何冊か並べた程度の殺風景な店が多いように思う。実際に筆者が訪れた店も、「ねこまんま」や「お茶漬け」「カレーライス」がメニューにあったものの、内装からは「深夜食堂」を本気で再現しようという熱意が感じられず、ブームに乗って飲食店を始めてみただけという印象だった。

 「深夜食堂」は、すしやてんぷらといったステレオタイプの日本料理とは違う日本の食文化を伝えるコンテンツとして成功したと思う。多くの中国人にとっては受け入れ難いものでありながらも、手軽でトレンディーであることから出店ブームに結び付いたのは面白い。「深夜食堂」ブームがどこまで広がるのか、そして定着していくのか、興味深いところではある。

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自動車型の山寨機はスマホに進化しても残念だった(日経トレンディネット)

定番の山寨機がスマートフォン化して登場!

 ファーウェイやオッポ、ビーボといったスマートフォンメーカーが、アップル、サムスンの牙城を崩さんばかりにシェアを伸ばしている一方で、中国では“山寨機(シャンジャイジ)”と呼ばれるチープでうさん臭い端末もいまだに売られている。山寨機を扱っている店は、携帯電話の卸売市場などに限られるので、買うならオンラインショップが楽だ。

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 筆者もこれまでもさまざまな山寨機を購入してきたが、結局は使いものにならず、話の種のためのオブジェと化している。理由は従来の山寨機がフィーチャーフォンであり、OSが中国語と英語しか対応していないからである。

 今回紹介するのは、山寨機の独特なデザインを継承したスマートフォンだ。山寨機としては以前から自動車型のフィーチャーフォンがあるのだが、そのスマートフォン版が登場したのである。言うまでもなくスペックは貧弱だが、Androidを搭載したおかげで日本語のウェブサイトも表示可能になった。

ふたの開閉でヘッドライトが無駄に点滅

 自動車型端末には、ストレート型と折り畳み式がある。筆者が購入したモデルは折り畳み式で、智新というブランドの製品だ。購入価格は188元(約3200円)だったが、8GBのmicro SDカードとUSB LEDライトが同梱されていた。価格だけで言えばかなりお買い得である。ちなみに、この手の自動車型端末は、赤や青や銀色などさまざまなカラーバリエーションがあるのだが、筆者が選んだのは金色のモデルだ。

 筆者が購入した端末の長さは、ふたを占めた状態で11.5cm、開けた状態で19.3cm。幅は6cm、厚さは1.5cm、重量は120gとなっている。自動車をモチーフにした端末らしく、ふたを開閉するたびにプップーとクラクションが鳴り、ヘッドライトが点滅する。また、裏ぶたの一部が半透明になっていて、電源ボタンを押すとふたを占めたままでも液晶に表示されている日付が見えるというギミックが面白い。

 電源ボタンと音量ボタンは、ふたの開閉に関係なく押せる。ふたを開けると、Androidのホームボタン、戻るボタン、メニューボタンが現れる仕組みだ。

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スマホユーザーにもうれしい中国製mp3プレーヤー(日経トレンディネット)

Hi-Fi音質と急速充電が売りのmp3プレーヤー

 中国の電脳街を歩いていると、たまに面白いものに出くわすことがある。ここで紹介するmp3プレーヤーも、電脳街の広告を見た筆者が実際に購入したものだ。

【関連画像】本物かどうか疑ってしまうほど質素なパッケージ

 その広告によると、音質にこだわった本格志向のmp3プレーヤーらしい。「充電5分で再生2時間」「Bluetooth&タッチスクリーン搭載」「老舗がリリースした製品」といった文言も書かれている。メーカーは紫光電子(UnisCom)という、中国でパソコンが普及していないころからスキャナーやmp3プレーヤーをリリースしてきた企業だ。

 興味を持った筆者は、まずは手元のスマートフォンでECサイトの「淘宝網(タオバオ)」と「天猫(Tmall)」で商品をチェックして、100元(約1700円)程度が相場であることを確認。それから店に入って実物を試用してみた。確かに金属ボディーの質感はいい。

 購入すると店員に伝えたところ、250元(約4300円)と言われたので値引き交渉を開始、結局150元(約2600円)で手に入れた。ECサイトよりも50元ほど高いのだが、8GBのmicro SDカードをおまけしてくれたので納得だ。ちなみにmicro SDカードには、「トムとジェリー」の動画とイーグルスの名曲「ホテル・カリフォルニア」がサンプルとして入っていた。

 気になったのが、同じメーカーで同じ型番にもかかわらず、微妙に機能とデザインが異なる製品が存在すること。万歩計機能が付いたモデルと、付かないモデルがあるのだ。店舗には万歩計機能なしのモデルしかなかったが、ECサイトではどちらも販売されている。“どちらかがニセモノ”ということはないだろうが、何とも腑に落ちない。

ひらがな、カタカナ表示もできる

 紫光電子のmp3プレーヤー「K188」の最大のセールスポイントは、原音に忠実なHi-Fi音質と急速充電だが、1.8型カラー液晶を搭載しているため「mp3プレーヤー」と称しつつも動画の再生やテキストの表示が可能だ。内蔵ストレージは8GBで、さらにmicroSDカードスロットが本体側面にある。重量は82g。

 バッテリーは600mAhでありながら、宣伝文句の「充電5分で2時間再生」は少し大げさだとしても、持ちはとてもいい。バッテリーを使い切った状態から10分間ほど充電しただけで、ゲージの残量は4分の3程度まで回復し、1時間以上も音楽を再生し続けることができた。カタログでは1~2時間の充電で60時間の再生が可能となっている。

 初期設定は簡体字表記だが、ひらがなやカタカナも簡体字フォントに入っているため、ひらがなやカタカナを含む曲名やテキストも表示できる。さらに言語選択で日本語表示にすることも可能だ。簡体字と異なる漢字フォントが文字化けしたり、「bluetoothを終了ですか?」のようなおかしな表現があったりするが、何とか使える。

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中国製LEDスタンドライト選びは多機能すぎて悩ましい(日経トレンディネット)

スタンドライトは、あえて実店舗で探す

 中国語で「台灯」ことスタンドライトは今、中国で最も旬な家電かもしれない。家電量販店はもちろん、スーパーや雑貨店、書店などでも見かけるのだ。各店がさまざまなメーカーのさまざまなスタンドライトを販売している。

【関連画像】リマックスの店舗。スマートフォン関連ではないが、スタンドライトも置いてあった

 いくつもの機能を詰め込んであるのが中国製品の特徴ともいえるが、スタンドライトも例外ではない。筆者が見かけただけでも「日付や気温を表示」「スピーカー搭載」「ウェブカメラ搭載」「Wi-Fi中継機能搭載」など、いろいろな付加機能を搭載したスタンドライトがあった。しかも、悩ましいことに“全部入り”の製品がない。一度気になりだしたら止まらなくなり、何か面白いものはないかとあちこちの店を巡り歩くことになった。

 言うまでもないが、多機能なものやエッジの利いたデザインのものは、「淘宝網(タオバオ)」などのショッピングサイトを探せばいくらでもある。しかし、やたらに多機能で肝心のライトが残念で使いものにならないという製品もすくなくない。あえて実店舗を回ったのは、実用的かどうかを見極めたかったからだ。

 結果、リマックスというブランドのBluetooth接続スピーカー内蔵LEDスタンドライト「RBL-L3」を買うことに決めた。価格は399元(約6800円)。筆者は黒の本体カラーを選んだが白もある。

 ちなみにリマックスは、昨年あたりから中国全土で急増したスマートフォン関連製品のブランドで、日本にも進出しているようだ。当連載でも半年ほど前に「異色のスマホ用アクセサリーショップが面白い」という記事で取り上げた。日本語版のウェブサイトもあるので、のぞいてみるといいだろう。

スピーカーはそこそこ、操作性に難あり!?

 購入したRBL-L3は、アームが自由に曲げられるタイプのデスクトップライトだ。一直線に伸ばした長さは約760mmとかなり長く、下から10㎝ほどが円筒形のスピーカーになっている。カタログによれば重量は約1340gで、LEDの照度は1800ルクスとのこと。

 スピーカーの上部には電源のスイッチと光量の調整ボタン、「ライトモード」の切り替えボタンが並ぶ。ライトモードは青みを抑えた「リラックスライト」、青白い「スタディーライト」、太陽光に近い自然な色合いの「ナチュラルライト」の3種類が選べる。

 また、スピーカーは5Wのステレオスピーカーで、bluetoothまたは有線で接続した端末の音声を再生する仕組み。スピーカーを内蔵するデスクトップライトの中でもひときわ大きいRBL-L3の音は、安物のBluetoothスピーカーよりはずっといい。

 スピーカーを操作するボタン類は照明とは別で、スピーカー部の背面に電源スイッチと再生/停止ボタン、音量調整ボタンが並んでいる。Bluetoothで接続した端末からも操作できるとはいえ、本体の裏側を見ないと操作できないのは不便だ。ステレオスピーカーなのだから、前面でもスピーカーとスピーカーの間に配置できたはず。しかもステレオスピーカーには、本体の向き次第で音が偏るという問題もある。

 気になるところはあるが、それなりの光量と音質を備えたLEDスタンドライトは、この製品くらいしか見当たらない。操作の不自由さに耐えられるならRBL-L3は買いだと思う。

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食と伝統にうるさい中国人にパン食文化は根付くのか!?(日経トレンディネット)

“超芳醇もどき”や“ランチパックもどき”で急成長

 数年前にシンガポールや台湾のベーカリーチェーンが進出したこともあって、若い人たちを中心にパン食が根付いてきたようだ。そんな中、1年ほど前からスーパーやコンビニのパン売り場で、日本にあるようなデザインの商品を目にするようになってきた。

【関連画像】こちらは「サンドイッチパン(三明治面包)」。見た目はランチパックそっくりだ

 それらは桃李面包(面包はパンの意味)というメーカーが製造しているもので、同社のパンは、山崎製パンの「超芳醇」や「ランチパック」「薄皮ミニパンシリーズ」にそっくりなのだ。中国人からも「日本に旅行に行ったら桃李のパンにそっくりなパンばかりを見かけたのだが、桃李は日本のパンのニセモノなのか」といったインターネット上の書き込みがあったほどだ。

 桃李は、従来とは異なるレベルでパンを量産し、それらを中国全土に卸すことで急成長している。これまで、スーパーで売られているパンは、地元のパン工場で生産されていたため、品質は期待できなかった。ところが桃李のパンは見た目もさることながら、味も日本のオリジナルに似ていてまずくはない。桃李によって庶民的なパンの品質が底上げされ始めたと言ってもいいだろう。

街のベーカリーも急増で競争激化

 もう1つ、中国のパン事情を紹介したい。筆者が中国の複数都市を歩いてみて感じているのが、この1年足らずの間にベーカリーが急増していることだ。口コミサイト最大手「大衆点評」によると、今年1月に中国全土で58万2000店だったベーカリーの数が、4月には73万3000店まで増えたとのこと。とはいえ消費者のパンへの関心が高まったわけではないため、変わらぬ需要に対して供給だけが増え、競争が激化しているようだ。

 ベーカリーの数が最も多い広州市の地方紙「信息時報」によると、80%のベーカリーチェーンが消費者に「古くさい」と思われている一方で、高級パンが市場を拡大しているという。そうした変化に対応すべく、面包新語などの既存ベーカリーチェーンは、高級パンの販売を始めた。価格は従来のパンが1個10元(170円)程度からあるのに対し、高級なパンは1個15元(255円)程度からとなっている。食パン1斤が約300円もするのは中国の感覚ではかなり高いのだが、それでもちゃんと売れているようだ。

 同様の変化は、沿岸部、内陸にかかわらず都市部で起きているように思う。実際、いろいろな都市のショッピングモールを訪れてみても、「高級」「こだわり」をうたうベーカリーが必ずある。

 高級なパンは材料にこだわり、かつ砂糖、塩、油を控えめにした健康志向が特徴。また、それらを扱う店は内装が華やかで、若い女性客が多いという。中国人の主食といえば米や麺だが、おいしくて健康的なパンの登場でパン食がさらに広まりそうだ。

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謎解きが楽しい! リアル脱出ゲームが中国で急増中!(日経トレンディネット)

マンションの一室がゲーム施設に!?

 「真人密室逃脱遊戯」と呼ばれるリアル脱出ゲームが中国各地で急増している。ひと言で言ってしまうと「閉じ込められた部屋から脱出する」という遊びなのだが、出口の鍵や解錠番号を入手するには室内に仕掛けられたさまざまなパズルを解く必要があるのがポイントだ。

【関連画像】大型の施設には複数のテーマが用意されている

 中国メディアによれば、「真人密室逃脱遊戯」が登場したのは2013年ごろのようだが、この1、2年で再び大きな波が来ているように思う。施設としてはショッピングモール内にもあるのだが、むしろ高層マンションの一室を利用した小さな施設が急増している感じだ。料金は施設によってまちまちではあるが、だいたい1回につき100元(約1700円)前後となっている。

 口コミサイトの「大衆点評」や「美団」で「真人密室逃脱遊戯」を検索すると、こうした施設が街中にあることが分かる。最近、マンションの一室を趣味の教室や民泊用の客室、カフェなどに利用する動きが中国の都市部にあるが、「真人密室逃脱遊戯」用にリフォームするのもその一例と言えそうだ。

 もちろん、そういった内装を手掛けるリフォーム業者は中国全土に存在するし、またゲームで使用するボタンやパネル、発光装置などのギミック類もECサイトの「淘宝網(タオバオ)」で手に入る。

中国版リアル脱出ゲームを利用してみた

 記事を書くからには取材しようと思い立ち、数人の知人を集めて「真人密室逃脱遊戯」に挑戦してみた。場所は筆者の滞在する内陸の省都にある、繁華街から少し離れた高層マンションの一室。ウェブサイトに掲載されている情報によると料金は1人につき120元(約2000円)だが、クーポンを利用すると70元になるらしい。ちなみに300~700元(約5000~1万2000円)程度の料金を部屋単位で設定しているところもある。

 実際に現地を訪れてみたところ、マンションのエントランスにそれらしい情報は一切なく、施設のある最上階の部屋のドアの1つに施設名が書かれているだけだった。その部屋はメゾネットになっていて、リビングルームをリフォームした受付と待合室のほか、難易度とテーマが異なる部屋が4つ。それぞれのテーマは「船」「工場」「教会」「博物館」で、室内をチラ見したところ、それっぽい壁紙や小道具があった。施設のスタッフによると、季節ごとにテーマを変え、それに合わせて内装も変えているとのことだ。

 テーマ、つまり利用する部屋を決めたらスタッフからルールや禁止事項、制限時間などの説明を受ける。貴重品以外をロッカーに預け、スタッフが外から鍵を掛けたらゲームスタートだ。

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中国発! Android搭載の“歌える”学習機(日経トレンディネット)

Android搭載の子供向け学習機を発見

 中国のデジモノ販売店では、この1年くらいの間に「早教機」「学習機」「故事機」などと呼ばれる子供向けの学習兼動画再生機が増えてきた。それらの製品は、取っ手の付いたずんぐりとした筐体に7~9型程度のモニターとスピーカーを備えているのが特徴で、付属のマイクを接続すればカラオケマシンとしても使える。

【関連画像】最近よく目にする、子供の早期教育用学習機材。価格は日本円にして3000~4000円程度

 「面白いが、もうひとひねり欲しい」と待っていた筆者が見つけたのが、楽源実業というメーカーの「LOYE英文早教視頻機」という製品。他社製品にはOSの記載がないのだが、こちらはOSにAndroidを採用しているのが売り文句になっている。「これはレア物かもしれない!」と衝動買いしてしまった。

 店員いわく「淘宝網(タオバオ)より安いよ! 600元!」とのことだったが、値引き交渉の結果、購入価格は580元(約9600円)に。後でECサイトの「淘宝網」を調べてみたところ、確かに700元(約1万1700円)で販売している店もあったが、最安値は500元(約8300円)を切っていた。とはいえ、法外な値段で買わされたわけではないのでとりあえずは納得だ。

ブラウザーやメッセンジャーも利用できる

 LOYE英文早教視頻機が搭載するモニターは9型で、その両側にはメニューボタンや音量ボタンなど各種ボタン類が並ぶ。またモニター上部にはウェブカメラが、背面にはステレオスピーカーが、側面には電源ボタンとMicroUSBなどのコネクター類がある。電源を入れると本体左右の突起が光りだし、スピーカーから「歓迎来到開心楽園(ようこそ楽しい楽園に)」との音声が大音量で響き渡った。

 子供向けにカスタマイズされたメニュー画面は、Android搭載機だけにタッチ操作にも対応している。一見しただけではAndroid搭載機には思えないが、無線LANの設定やファイルの管理画面は確かにAndroidのそれだ。端末情報を見ると、Androidのバージョンはパッケージに書かれた「5.1」ではなく「4.4.2」となっていた。ちなみにCPUはパッケージ通り、クアッドコアCPUが搭載されているようだ。

 学習コンテンツは、英語学習、辞書などのアプリと、アニメや音楽などの動画ファイルだ。ストレージの内容を見てみると、16GBの容量のうちアプリが1.95GB、動画などのコンテンツが7.25GBとなっていた。

 なお、学習コンテンツ以外のアプリは、中国の定番ブラウザー「UCブラウザー」と、メッセンジャーの「微信(ウィーチャット)」、Android標準のカメラアプリが用意されているだけだ。プリインストールされていない専用コンテンツはダウンロードして入手するのだが、ストアアプリはない。このため、ゲームアプリなどを追加したい場合は、ブラウザーでアプリパッケージをダウンロードするという“裏技”を使うことになる。

 筆者が試した限りでは、ニュースアプリの「新浪新聞」はインストールでき、「我的応用(マイアプリ)」というメニューの中にアイコンが作成された。動作も問題なかったが、そもそものスペックが低いので、アクション系のゲームは厳しそうだ。

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中国初! スマホ必須の民泊にサービスの未来形を見た(日経トレンディネット)

中国初となるインターネットホテルとは?

 米国のエアビーアンドビーのような空室シェアサービスは中国にもあり、「民宿(ミンスー)」と呼ばれている。昨年の春に日本にも進出した「途家(トゥージア)」などが有名どころだが、最近は「Xbed 互聯網酒店」という新しい民泊サービスが登場している。互聯網はインターネット、酒店はホテルの意味だ。

【関連画像】専用アプリの管理画面。部屋の解錠のほか、延泊の申請やルームクリーニングの依頼もここから

 Xbedは、専用アプリあるいは旅行予約サイトの「Ctrip」などから宿泊する部屋を予約できる民泊サービス。筆者が宿泊してみることにしたのは「Ctrip」で、ホテルを探していたときに「インターネットホテル」というキャッチフレーズに興味を引かれたのがきっかけである。

 無線LANを導入しているホテルは珍しくないにもかかわらず「中国初となるインターネットホテル」をうたう民泊サービスとはどんなものなのか。とりあえず部屋の予約を入れて入金を済ませる。後は現地に着いたらルームキーを受け取って宿泊できるものと思い込んでいたのだが、ちょっと甘かった……。

初回利用の手続きはちょっと面倒

 筆者が予約した部屋は高層マンションの一室。現地に到着はしたもののフロントなどはなく、入口にいた守衛に足止めされた。部屋を予約した旨を伝えると「部屋番号を教えてくれ」「微信(WeChat)の公衆号(企業アカウント)を見せてくれ」などと面倒なことを言う。確かに部屋番号は分からない、つまりこのままでは宿泊できないので、言われるままに微信を起動。Xbedの公衆号でチェックインの手続きを済ませると、ようやく自分の泊まる部屋の番号が分かった。これで守衛も納得だ。

 中国のホテルにチェックインするときは身分証をスキャンされるのがお約束だが、そこはXbedも同じ。ただしXbedの場合は、自分のスマートフォンでXbedの公衆号にアクセスして自分で身分証をスキャンした上で、さらに顔認証も行う必要がある。

 ちなみに現在のシステムが対応しているのは中国人の身分証のみで、パスポートなどは利用できない。つまり、外国人がXbedのサービスを利用するには、中国人に同行してもらうしか手段がない。

 身分証認証と顔認証を済ませると、部屋のドアロックを解除するための暗証番号がショートメッセージサービス(SMS)で届く。シェアサイクルしかり、中国における最近のビジネストレンドは“スマートフォンを活用したシェアサービス”だが、初回利用に結構な時間と手間がかかるのはいかがなものか。

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中国発のARシューティングは意外にハイクオリティー!?(日経トレンディネット)

ARを活用した新感覚シューティングゲームマシン

 中国製AR(拡張現実)製品で何か面白い物はないかとECサイト「天猫(Tmall)」を眺めていると、教育用のものが多くを占める中で「AR魔力槍」という銃の形をしたおもちゃを発見した。これは、緑之愛というメーカーがリリースした新感覚シューティングゲームマシンで、本体に装着したスマートフォンの画面に表示されるAR画像の的を撃つというもの。中国語で「槍」でも日本語では「銃」の意味なのだ。

【関連画像】5.5型までのスマートフォンに対応している

 同社のウェブサイトで製品紹介を見てみると、AR専業企業の製品らしく、いくつもの特許技術が使われているとのこと。ともなれば実力はどうだろうと気になって購入してみた。価格は228元(約3800円)。ちなみにこの製品は、カワダから「ARマジックガン」という名前で日本語版が出ているが、ゲームアプリの言語は英語のみだ。

 AR魔力槍の本体はプラスチック製で、上部にはスマートフォンをセットする仕掛けがあり、ここに端末を横向きに固定する。このとき、スマートフォン側面のボタンが押しっぱなしにならないようにするのがポイントだ。

 本体には電源スイッチと引き金のほか、銃身近くに使用しない謎のボタンがある。スマートフォンとの接続はBluetoothで、電源は単4形乾電池2本となっている。

 専用アプリは説明書および本体に記載された2次元コードをスマートフォンで読み取ってインストールする。ちなみにアプリは武漢秀宝軟件という別の会社が開発しているとのこと。

タイトル数は貧弱だが出来はまずまず

 専用アプリはAR魔力槍とスマートフォンをBluetoothで接続するためのもので、各種ゲームアプリもこの専用アプリを経由してダウンロードする仕組み。パッケージには「100以上のゲームで遊べる」と書いてあるのだが、実際にダウンロードできるゲームは13タイトルしかなく、「追加リリースにご期待ください」というメッセージがタイトル一覧の横に書いてあった。そういえば以前、ファミコンもどきのゲーム機で“タイトル数詐欺”に遭ったことがあるが、AR魔力槍用のゲームアプリも本当に追加されるのだろうか。

 それはさておき、13タイトルの中でメーカーが最もプッシュしているのが「解放人質」というタイトルだ。プレーヤーはスナイパーとなり、遠方のビルの屋上にいる誘拐犯グループをせん滅すべく、ライフルで一人ずつ狙撃していく。犯人たちは逃げたり反撃したりせず、人質の周りをぐるぐると回っておとなしく撃たれてくれる。CGで描かれたキャラクターは、中国でも人気の高い「マインクラフト」を模したポリゴン風なので生々しさはなく、撃ち殺しても罪悪感にさいなまれるようなことはない。

 メーカーの意向とは別に、ぜひとも紹介しておくべきタイトルは「神槍猟人」だろう。119×84cmという巨大な壁のポスターが同梱されていたのは、このゲームのためなのだ。このポスターを貼ると、アプリが破壊すべき壁と認識して狙うべきポイントを矢印で指定してくれる。まずはそこを狙い撃ちして壁を破壊し、壁の向こうから襲い掛かってくるコウモリやらロボットやら、さまざまな敵を退治するというゲームだ。

 ほかにも宇宙を舞台にして隕石などを撃ちまくる「太空堡塁」、自ら海賊となって敵の海賊を倒す「海上突撃隊」、AR空間を泳ぐ魚を撃つ「Fish In The Air」などがある。

 ARゲームにありがちなタイムラグもほとんどなく、どのキャラクターも命中すればすぐにそれなりの反応を見せてくれる。中国製のゲームには、どうやってもクリアできない“無理ゲー”も珍しくないのだが、AR魔力槍に関しては“理不尽だ”とは感じるゲームはなかった。タイトル数が少なかったがっかりポイントと、長く遊んでいると飽きてくることを除けば、そこそこ楽しめる製品だと思う。

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ネット通販の定番ドライフードブランド「三只松鼠」(日経トレンディネット)

リスのキャラクターで人気のドライフードブランド

 中国人にとってヒマワリの種や、魚、肉、豆腐、果物などをベースにしたドライフードは、旅行やテレビ視聴時に欠かせないおつまみだ。さすがに高速鉄道ではあまり見掛けなくなったが、一般の長距離列車では、ドライフードをつまみながらトランプゲームに興じる人々の姿を見ることができる。ドライフードは昔からの定番だけに、駅の売店からスーパー、コンビニ、個人商店まで至る所で手に入る。

【関連画像】筆者が購入した三只松鼠のドライフード類。どれもかわいらしいパッケージだ

 そんな競争の激しいドライフード市場で急成長しているのが「三只松鼠」というブランド。同社では、ドライフード全般に加えてビスケットやポテトチップスや花茶なども取り扱っている。マスコットキャラクターはブランド名通りの“3匹のリス”で、このキャラクターを使ったアニメコンテンツを配信するなどして認知度アップに努めている。

 三只松鼠が独特なのは、2012年の創業以降、一貫してインターネットでの販売に注力してきたことだ。中国定番のショッピングサイト「天猫(Tmall)」「京東(jd)」「蘇寧易購」「一号店」などの各サイトには必ず同社の直営店がある。そして、各サイトが力を入れるセールの日には、ニュースになるほど三只松鼠の商品が売れる。例えば2016年の販促イベント「双十一(11月11日)」では、1日で販売数5億個を記録した。

 一定の知名度を獲得した現在、三只松鼠は江蘇省の蘇州や湖北省の武漢などで実店舗もオープン。ネットを使いこなせない層にもアピールを始めた。

三只松鼠の商品を買ってみた

 ショッピングサイトの天猫(Tmall)で、ジャーキー系など三只松鼠の商品をいろいろと購入してみた。価格は中国統一価格なので、内陸部のスーパーで売っているドライフード類と比べてもそう高くない。著名なブランドだけに安心感があることまで含めると、上海や北京など物価が高い地域の消費者にとっては、むしろお買い得な価格かもしれない。

 さて、商品が到着したのは注文から2日後。リスのイラストが描かれた専用のダンボールには「三只松鼠:ネット食品販売トップブランド」との文言があり、サポートセンターの電話番号は、若者ウケを狙って「リス星-地球 ホットライン」となっている。開封用のカッターやヒマワリの種などを捨てるための専用の袋まで付いてくるなど、このあたりの気配りは素晴らしい。

 各商品のパッケージの形は小箱や袋などまちまち。中身はさらにリスのイラスト付きの小袋に分けられている。スーパーなどで売られているドライフードは、小袋に入ってないものもよくあるのだ。

 各パッケージを見てみると、メーカーが異なっていることが分かった。三只松鼠が製造しているのではなく、別会社の工場で製造したものを三只松鼠ブランドで販売する、コンビニのプライベートブランドのようなものだ。

 古くからある市場にネット販売に絞り込んで参入し、パッケージデザインで注目を集める。売り上げナンバーワンブランドの安心感によって、さらに多くの消費者を引き付けてから実店舗を展開する。この手法は、以前紹介した中国酒「江小白」のサクセスストーリーとよく似ている。

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