中国初! スマホ必須の民泊にサービスの未来形を見た(日経トレンディネット)

中国初となるインターネットホテルとは?

 米国のエアビーアンドビーのような空室シェアサービスは中国にもあり、「民宿(ミンスー)」と呼ばれている。昨年の春に日本にも進出した「途家(トゥージア)」などが有名どころだが、最近は「Xbed 互聯網酒店」という新しい民泊サービスが登場している。互聯網はインターネット、酒店はホテルの意味だ。

【関連画像】専用アプリの管理画面。部屋の解錠のほか、延泊の申請やルームクリーニングの依頼もここから

 Xbedは、専用アプリあるいは旅行予約サイトの「Ctrip」などから宿泊する部屋を予約できる民泊サービス。筆者が宿泊してみることにしたのは「Ctrip」で、ホテルを探していたときに「インターネットホテル」というキャッチフレーズに興味を引かれたのがきっかけである。

 無線LANを導入しているホテルは珍しくないにもかかわらず「中国初となるインターネットホテル」をうたう民泊サービスとはどんなものなのか。とりあえず部屋の予約を入れて入金を済ませる。後は現地に着いたらルームキーを受け取って宿泊できるものと思い込んでいたのだが、ちょっと甘かった……。

初回利用の手続きはちょっと面倒

 筆者が予約した部屋は高層マンションの一室。現地に到着はしたもののフロントなどはなく、入口にいた守衛に足止めされた。部屋を予約した旨を伝えると「部屋番号を教えてくれ」「微信(WeChat)の公衆号(企業アカウント)を見せてくれ」などと面倒なことを言う。確かに部屋番号は分からない、つまりこのままでは宿泊できないので、言われるままに微信を起動。Xbedの公衆号でチェックインの手続きを済ませると、ようやく自分の泊まる部屋の番号が分かった。これで守衛も納得だ。

 中国のホテルにチェックインするときは身分証をスキャンされるのがお約束だが、そこはXbedも同じ。ただしXbedの場合は、自分のスマートフォンでXbedの公衆号にアクセスして自分で身分証をスキャンした上で、さらに顔認証も行う必要がある。

 ちなみに現在のシステムが対応しているのは中国人の身分証のみで、パスポートなどは利用できない。つまり、外国人がXbedのサービスを利用するには、中国人に同行してもらうしか手段がない。

 身分証認証と顔認証を済ませると、部屋のドアロックを解除するための暗証番号がショートメッセージサービス(SMS)で届く。シェアサイクルしかり、中国における最近のビジネストレンドは“スマートフォンを活用したシェアサービス”だが、初回利用に結構な時間と手間がかかるのはいかがなものか。

【関連記事】

中国発のARシューティングは意外にハイクオリティー!?(日経トレンディネット)

ARを活用した新感覚シューティングゲームマシン

 中国製AR(拡張現実)製品で何か面白い物はないかとECサイト「天猫(Tmall)」を眺めていると、教育用のものが多くを占める中で「AR魔力槍」という銃の形をしたおもちゃを発見した。これは、緑之愛というメーカーがリリースした新感覚シューティングゲームマシンで、本体に装着したスマートフォンの画面に表示されるAR画像の的を撃つというもの。中国語で「槍」でも日本語では「銃」の意味なのだ。

【関連画像】5.5型までのスマートフォンに対応している

 同社のウェブサイトで製品紹介を見てみると、AR専業企業の製品らしく、いくつもの特許技術が使われているとのこと。ともなれば実力はどうだろうと気になって購入してみた。価格は228元(約3800円)。ちなみにこの製品は、カワダから「ARマジックガン」という名前で日本語版が出ているが、ゲームアプリの言語は英語のみだ。

 AR魔力槍の本体はプラスチック製で、上部にはスマートフォンをセットする仕掛けがあり、ここに端末を横向きに固定する。このとき、スマートフォン側面のボタンが押しっぱなしにならないようにするのがポイントだ。

 本体には電源スイッチと引き金のほか、銃身近くに使用しない謎のボタンがある。スマートフォンとの接続はBluetoothで、電源は単4形乾電池2本となっている。

 専用アプリは説明書および本体に記載された2次元コードをスマートフォンで読み取ってインストールする。ちなみにアプリは武漢秀宝軟件という別の会社が開発しているとのこと。

タイトル数は貧弱だが出来はまずまず

 専用アプリはAR魔力槍とスマートフォンをBluetoothで接続するためのもので、各種ゲームアプリもこの専用アプリを経由してダウンロードする仕組み。パッケージには「100以上のゲームで遊べる」と書いてあるのだが、実際にダウンロードできるゲームは13タイトルしかなく、「追加リリースにご期待ください」というメッセージがタイトル一覧の横に書いてあった。そういえば以前、ファミコンもどきのゲーム機で“タイトル数詐欺”に遭ったことがあるが、AR魔力槍用のゲームアプリも本当に追加されるのだろうか。

 それはさておき、13タイトルの中でメーカーが最もプッシュしているのが「解放人質」というタイトルだ。プレーヤーはスナイパーとなり、遠方のビルの屋上にいる誘拐犯グループをせん滅すべく、ライフルで一人ずつ狙撃していく。犯人たちは逃げたり反撃したりせず、人質の周りをぐるぐると回っておとなしく撃たれてくれる。CGで描かれたキャラクターは、中国でも人気の高い「マインクラフト」を模したポリゴン風なので生々しさはなく、撃ち殺しても罪悪感にさいなまれるようなことはない。

 メーカーの意向とは別に、ぜひとも紹介しておくべきタイトルは「神槍猟人」だろう。119×84cmという巨大な壁のポスターが同梱されていたのは、このゲームのためなのだ。このポスターを貼ると、アプリが破壊すべき壁と認識して狙うべきポイントを矢印で指定してくれる。まずはそこを狙い撃ちして壁を破壊し、壁の向こうから襲い掛かってくるコウモリやらロボットやら、さまざまな敵を退治するというゲームだ。

 ほかにも宇宙を舞台にして隕石などを撃ちまくる「太空堡塁」、自ら海賊となって敵の海賊を倒す「海上突撃隊」、AR空間を泳ぐ魚を撃つ「Fish In The Air」などがある。

 ARゲームにありがちなタイムラグもほとんどなく、どのキャラクターも命中すればすぐにそれなりの反応を見せてくれる。中国製のゲームには、どうやってもクリアできない“無理ゲー”も珍しくないのだが、AR魔力槍に関しては“理不尽だ”とは感じるゲームはなかった。タイトル数が少なかったがっかりポイントと、長く遊んでいると飽きてくることを除けば、そこそこ楽しめる製品だと思う。

【関連記事】

ネット通販の定番ドライフードブランド「三只松鼠」(日経トレンディネット)

リスのキャラクターで人気のドライフードブランド

 中国人にとってヒマワリの種や、魚、肉、豆腐、果物などをベースにしたドライフードは、旅行やテレビ視聴時に欠かせないおつまみだ。さすがに高速鉄道ではあまり見掛けなくなったが、一般の長距離列車では、ドライフードをつまみながらトランプゲームに興じる人々の姿を見ることができる。ドライフードは昔からの定番だけに、駅の売店からスーパー、コンビニ、個人商店まで至る所で手に入る。

【関連画像】筆者が購入した三只松鼠のドライフード類。どれもかわいらしいパッケージだ

 そんな競争の激しいドライフード市場で急成長しているのが「三只松鼠」というブランド。同社では、ドライフード全般に加えてビスケットやポテトチップスや花茶なども取り扱っている。マスコットキャラクターはブランド名通りの“3匹のリス”で、このキャラクターを使ったアニメコンテンツを配信するなどして認知度アップに努めている。

 三只松鼠が独特なのは、2012年の創業以降、一貫してインターネットでの販売に注力してきたことだ。中国定番のショッピングサイト「天猫(Tmall)」「京東(jd)」「蘇寧易購」「一号店」などの各サイトには必ず同社の直営店がある。そして、各サイトが力を入れるセールの日には、ニュースになるほど三只松鼠の商品が売れる。例えば2016年の販促イベント「双十一(11月11日)」では、1日で販売数5億個を記録した。

 一定の知名度を獲得した現在、三只松鼠は江蘇省の蘇州や湖北省の武漢などで実店舗もオープン。ネットを使いこなせない層にもアピールを始めた。

三只松鼠の商品を買ってみた

 ショッピングサイトの天猫(Tmall)で、ジャーキー系など三只松鼠の商品をいろいろと購入してみた。価格は中国統一価格なので、内陸部のスーパーで売っているドライフード類と比べてもそう高くない。著名なブランドだけに安心感があることまで含めると、上海や北京など物価が高い地域の消費者にとっては、むしろお買い得な価格かもしれない。

 さて、商品が到着したのは注文から2日後。リスのイラストが描かれた専用のダンボールには「三只松鼠:ネット食品販売トップブランド」との文言があり、サポートセンターの電話番号は、若者ウケを狙って「リス星-地球 ホットライン」となっている。開封用のカッターやヒマワリの種などを捨てるための専用の袋まで付いてくるなど、このあたりの気配りは素晴らしい。

 各商品のパッケージの形は小箱や袋などまちまち。中身はさらにリスのイラスト付きの小袋に分けられている。スーパーなどで売られているドライフードは、小袋に入ってないものもよくあるのだ。

 各パッケージを見てみると、メーカーが異なっていることが分かった。三只松鼠が製造しているのではなく、別会社の工場で製造したものを三只松鼠ブランドで販売する、コンビニのプライベートブランドのようなものだ。

 古くからある市場にネット販売に絞り込んで参入し、パッケージデザインで注目を集める。売り上げナンバーワンブランドの安心感によって、さらに多くの消費者を引き付けてから実店舗を展開する。この手法は、以前紹介した中国酒「江小白」のサクセスストーリーとよく似ている。

【関連記事】

中国版Fitbitこと活動量計「clingband」を試してみた(日経トレンディネット)

clingbandはFitbitより割安!

 毎日の行動を記録するリストバンド型活動量計「Fitbit」によく似た中国メーカー製の「clingband」を雑貨店で発見した。上海翰臨電子科技(HiCling)という新興メーカーの製品で、定価598元(約1万円)。実際は398元(約6700円)で購入できたので、アマゾンで2万円近くする心拍数が計れるタイプの本家Fitbitと比べると、ほぼ3分の1の価格だ。ちなみにバンドのカラーバリエーションは7種類。

【関連画像】充電時は本体の裏側にユニットを装着する。バンドはラバー製

 clingbandは、歩数、肌の温度、心拍数、UV指数、睡眠時間などを計測する機能を備えており、各種データは本体側面のボタンおよびタッチパネルのタップやスワイプ操作で確認できる。また、ジョギング/ランニング、サイクリング、ジムでの運動開始時と終了時は、同様にボタンやタッチパネルの操作で「運動モード」を切り替える。

 本体はバッテリー内蔵だが充電用端子はなく、充電時はパッケージに同梱されているユニットを本体の裏側に取り付ける。少し面倒だが、相当頻繁にデータを確認するようなことがなければ、バッテリーは2、3日は持つだろう。節電のためか、操作をしていないとすぐにディスプレーがオフになってしまうのだが、腕時計を見るような動作をするとすぐにオンになり、時間が表示される。

データ管理は専用アプリで

 各種設定を行う専用アプリは、Android用ないしはiOS用のものをスマートフォンにインストールする。中国製のアプリは中国の携帯電話番号の登録が必須になっているが、国外ユーザー向けにはメールアドレスによる登録にも対応している。

 専用アプリをインストールしたら、まず身長、体重と微信(WeChat)アカウントの設定、プロフィール写真の登録などを済ませる。ちなみにパッケージ同梱の説明書には、ほぼ何の説明もないので、何ができるかを知るためには、アプリに付属する説明書データが欠かせない。

 専用アプリでは、言語(英語、簡体字、繁体字)の切り替えや、ディスプレーの縦・横表示の切り替え、バイブレーションのオン/オフ、心拍数や体温の更新間隔の変更、微信やショートメールの着信通知設定などが可能だ。

 clingbandと専用アプリは、Bluetoothで接続して同期させる。これによりclingbandの活動データをアプリに取り込む一方で、アプリで入手した天気予報やPM2.5情報などをclingbandに転送する仕組みだ。アプリには活動データの表示機能があり、「何時から何時まで走った」「自転車に乗った」「軽く動いた」といった記録を日にちごとに閲覧できる。また、心拍数、体温、睡眠時間、歩数、消費カロリーの5項目から健康な生活かどうかを測定する機能も用意されており、測定結果を専用のSNSで他のユーザーに公開することも可能だ。

 ただ筆者が試した限りでは、どうやっても睡眠時間を測ることができなかった。パッケージ同梱の説明書にもアプリの説明書にも、睡眠時の正しい着用の仕方が書かれていない上、アプリにも設定方法の記載がない……。中国のデジモノには「使ってみれば分かる」というスタンスのものが多いが、時折こういうケースに出くわす。とはいえ、それ以外に大きな問題はなく、むしろ中国にいる間は日々積極的に利用したいと思う製品ではある。

【関連記事】

中国で大人気の「自転車シェア」が日本に上陸 実際に乗ってみたら……(日経トレンディネット)

シェアを二分する「オレンジ色のニクイやつ」

 中国でシェアサイクルサービスを提供する「摩拜単車(Mobike/モバイク)」が、福岡や札幌を拠点として日本でもサービスを展開することを明らかにした。「モバイク」とはどんなサービスなのか、最新の中国シェアサイクル事情と併せて紹介しよう。

【関連画像】シェアサイクルの普及により、行政サイドが駐輪スペースを用意する動きも出始めた

 中国にシェアサイクルサービスは数多くあるが、「モバイク」は、黄色い車体の「ofo」と人気を二分している。他にも青い車体の「Blue gogo」、水色の「小鳴単車」、青と黄色の「永安行」などが一定シェアを獲得しており、ローカルのサービスまで含めると数え切れない。シェアサイクルサービスの登場で、中国の交通事情は大きく変わったと言っていい。若者を中心に、「モバイク」をはじめとしたさまざまなシェアサイクルが街を行き交うようになっている。

 「モバイク」はオレンジの車体が目印で、特徴としては専用アプリと連動した電子ロック、内蔵発電機や太陽光発電、空気を入れる必要がないタイヤの採用などが挙げられる。車種は大まかに分けて3つあり、かごの有無やサドルの高さ調節の可否などに違いがある。

 シェアサイクルサービスとしては、行政が提供する、専用駐輪所(ポート)を利用するものもあるが、現在は「乗り捨て」が可能なサービスが主流だ。「モバイク」も乗り捨てが可能で、30分まで1元(約17円)で利用できる。最近では無料乗車キャンペーンもよく目にするようになっており、一部の大都市では30分につき0.5元(約8.5円)のサービスも登場した。

 「モバイク」のサービス開始は2016年4月だが、それから1年あまりしかたっていないにもかかわらず、シンガポールや英マンチェスターなど、すでに全世界100都市に進出しているという。また、「モバイク」の利用データから利用者の行動を分析する研究センターも設立されている。

モバイクに実際乗ってみた

 中国の「モバイク」を実際に利用してみたので、利用手順を紹介しておこう。なお、日本に導入されるシステムとは異なる可能性もあるので、参考程度にとどめてほしい。

 まずはモバイクの専用アプリをインストール。この際、中国では携帯電話の番号を登録する。またインストール時の前提として電子決済アプリの「支付宝(アリペイ)」または「微信支付(ウィーチャットペイ)」がスマートフォンにインストールされている必要がある。アプリをインストールしたら保証金として299元(約4980円)を前述の2つの電子決済アプリのいずれかからチャージ。さらに利用分を10元(約170円)単位でチャージする。

 アプリを起動すると、まず周辺の地図と、エリア内にある「モバイク」の車両の位置が表示される。本来は、この地図を見ながら自転車を探すわけだが、もはや地図で探さなくても、辺りを見回せばどこかしらに車両がある。

 車体の前後2カ所に個体ごとに異なる2次元コードがあり、これをアプリで読み取ると、ピピッと音が鳴って電子ロックが解除される。自転車を利用し目的地に着いたら、再びロックするとピピッと音が鳴って利用終了だ。

 実際に走ってみると、いわゆるママチャリよりも速度が遅く、けっこう疲れる。日本で最初に展開されるのは、筆者の自宅がある福岡市とのことだが、あまり坂が多くない駅周辺で利用するのがせいぜいだろう。既存の自転車利用をそのまま置き換えるのは難しいかもしれない。

【関連記事】